水野の図書室
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皆さま体調に気を付けて今日も良い一日でありますように。
| 2003年03月21日(金) |
夏樹静子『乗り遅れた女』 |
昨日、とうとう戦争が始まりました。 戦争は悲惨です。狂気は小説の中だけにしてほしいです。 罪もない人が殺されるなんて、悲しすぎます。兵士でも普通の市民でも、同じ一つの命です。 とにかく、早く終結してほしいと願うばかりです。
このところ気ぜわしくて、なかなか本も読めずにいました。 落ち着こうと読み始めたのが、夏樹静子の「乗り遅れた女」(新潮文庫)。あぁ、夏樹静子の作品 というだけで、安心感があります。読みやすい文体、わかりやすい設定と人間関係、そして、 読者を巧みに結末とは違う方向へ誘導していく“ミスリード”が用意してあり、ハズレがありません。 というのが、わたしの中の夏樹静子ワールドです。6編のミステリを読みながら3月が終わりそうです。
まず表題作『乗り遅れた女』、、なるほどー。。 新幹線に乗り遅れたと、東京駅からタクシーに乗って新潟へ行った女──。その夜、東京では 殺人事件が起き、被害者は意外なところから、その女と線で結ばれます。
東京から新潟までタクシーを飛ばすなんて、いかにもアリバイ作りの匂いが!犯人はこの女! と思わせながら、ぐいぐい引っ張っていってくれます。短編ながらも読み応えはずっしり。 犯人の気持ちには共感できないけど、わかる部分もありますね。もし、わたしだったら・・ あわわ、、こ、怖い。。どんな理由があっても、そんなこと考えちゃいけません。
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