水野の図書室
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皆さま体調に気を付けて今日も良い一日でありますように。
| 2003年03月26日(水) |
夏樹静子『三分のドラマ』 |
ある夜、人を轢いたという119番通報で救急車が現場に到着した時、倒れている人はすでに 死亡していました。車を運転していた若い男は、道路に人が寝ていたと言い、死亡した男の 妻は、そんなはずはないと言い張ります。行政解剖をしたところ、持病のクスリの血中レベルが 過飽和状態で、心臓発作を誘発しやすくなっていたことがわかります。 病死か轢死か、事故か殺人か、監察医が書いた鑑定書は──。
死亡した男の妻の登場のしかたが、ほらほら、この女は怪しいですよ〜と言わんばかりで、 妙な安心感があるのが不思議ですねー。夏樹静子の作品は、2時間ドラマになっているのが 多いというのも頷けます。どこを見たらいいか、指差しで教えてもらっているよう。
そして、このラストは ! 一件落着かと思ったら、、わお!そ、そ、そんなぁ〜新しい(というか古い)真実が! でも、こうじゃないかなぁ〜って、チラッと思いましたよ。ハイ。 夏樹静子の描く妻って、なんか一生懸命ですね。ある意味、一途です。 世の中の妻たちの期待を裏切らないツボをちゃんと知ってる感じです。あ、だから2時間ドラマ 向きなのかも。
監察医の鑑定書で、残った人の人生が左右させられるのは、当然のことながら大変なんですね。 うむうむ、、重責です。
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