水野の図書室
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皆さま体調に気を付けて今日も良い一日でありますように。
こ、怖いです。こんな女、いるような気がします。悪意を胸に秘めながら、独り旅をする女。 高級旅館の宿帳に他人の名前を書く女。 わざとその名前を少し変えて書く女。 わざと忘れ物をして、世の中の平和を乱そうとする女! 自分が行ったこともない旅館から 忘れ物が届いたら、気持ち悪いですよ〜。少し名前が違っていたら、偽名で泊まったみたい じゃないですか? 旅館から届いた忘れ物を夫や恋人が見たら、妻や恋人が密会旅行してると思うじゃないですかっ!
高級旅館+偽名+忘れ物=不倫! うわぁ!これって、罪になるんじゃ、罪ですって! 不信の種をまくために独り旅するなんて! そ、そんなに同僚の幸せが憎いんでしょうか?
「乗り遅れた女」(新潮文庫)第三話『独り旅』で、孤独な女の悲しい愉しみを知ることに。 そして、小さな悪意は、とんでもない結末を目の前に突きつけます。メリハリが効いた作品 で、もしかして、もしかして、、、と引っ張られ、ラストでドドーン! 読んでみて下さい。
ひとり旅、一人旅、独り旅・・漢字で印象がずいぶん変わりますね。『独り旅』って、ホントに ひとりきりな感じがします。「独り」で思い出すのは、皆川博子の『鏡の国への招待』 (「秘密の手紙箱」、光文社文庫、2002.02.09記)。こちらも孤独な女ゆえの愉しみを持ってます。 でもでも、孤独って言ったら、誰もが孤独なんじゃないかな〜。恋人がいても……。
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