水野の図書室
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皆さま体調に気を付けて今日も良い一日でありますように。
| 2003年05月13日(火) |
恩田陸『誰かに聞いた話』 |
「象と耳鳴り」(祥伝社文庫)の第七話です。先週読んだ『海にゐるのは人魚ではない』 では、関根多佳雄と息子、春(しゅん)との、素敵な親子関係を垣間見た気がしましたが、 ここでは、妻、桃代との仲睦まじい夫婦の会話にほのぼのと入っていきました。 引退した元判事という関根ですから、世に言う“熟年夫婦”なんですね〜。
「お寺の銀杏の木の根元に、銀行から盗まれた現金が埋まっている」と聞いたのは、 誰からだっただろう──関根は、そんな誰かに聞いた話のことを桃代に話します。 誰かって、誰だったんだろう・・と、ひとつずつ詰めていくと──。
手堅くまとまったのは、おっとりしながら、意外に鋭い洞察力を持っている桃代のおかげ でしょうか。「どうかなさいましたか」って、さりげなく使う言葉に愛情を感じます。 「どうしたの」とは少し違う、相手を敬い思いやりのある素敵な言葉ですね。 しみじみ→じーーん。なんだか、、作者の意図するところと別のところで感動・・。
いいなぁ〜こんな熟年夫婦。。桃代をうかべると、、八千草薫さん・・かな。笑
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