水野の図書室
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皆さま体調に気を付けて今日も良い一日でありますように。
恩田陸お得意(と、わたしは思う)の、“ああ、あれはこうだったのか”ものです。 何年も昔のことを思い出すうちに、その時は気づかなかったことが見えてきて、霧が はれるように全体が見えてくる。しかし、真実に近づくほど、つらく哀しい想いは増幅し、 思い出したことが良かったのか、謎は謎のままにしておいた方が良かったのか…… 後悔する新しい気持ちが生まれてくるのです。
関根のいとこ、結子が薔薇の香りに包まれた庭で死んでから30年以上たった夏、結子 の娘、結花に呼ばれて、その庭を訪ねた関根は……。
幻想的な世界です。愛しさは憎しみにも似て、女心は複雑なのですよ。ふむふむむ。 はふぅ・・死ぬときに会いたい人が一番愛してた人というはよくわかります。。
いとこ、という微妙な関係で思い出すのは、本多孝好の『瑠璃』(「MISSING」双葉文庫、 2003.02.08記)。そう、僕とルコの物語。あのせつなさがよみがえりました。
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