水野の図書室
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皆さま体調に気を付けて今日も良い一日でありますように。
関根は、かつての後輩検事だった貝谷を訪ねて、ある地方都市に行きます。政令指 定都市をめざし合併を模索しているこの土地に、最近、奇妙な噂があると聞いた関 根は、その噂の真相を推理していくのですが──。
関根の推理は、相変わらず冴えています。推論に無理がなく、説得力があるからな のか、町の噂が都市伝説に昇華していくのが面白いですねー!そして、それぞれ違 う顔をもつ都市伝説が、実は根底ではつながりあっているのです。関根が言うよう に、この世のものは全てがつながり、存在する限り、影響を与え合っているのかも しれないですね。
このタイトル、『魔術師』って、抜群(←古っ)!作品をより魅力的にしています。 ラスト6行も抜群(笑)、もぉ、ゾクゾクきました。ちょっと最近、眠っていたある 部分にピンを刺されたように、チリッときました。穏やかだけど刺激的な文章で、 クセになりそう。^^
と、ようやく「象と耳鳴り」(祥伝社文庫)を読み終えました。『曜変天目の夜』 から読み始め、な、な、なんと、1ヶ月近くかかってしまいました。12編の中で一 番良かったのは・・『象と耳鳴り』『廃園』『魔術師』です。本格推理に挑戦した 意欲的な作品が12編。 幻想的で不思議な恩田陸の世界をたっぷりと堪能させてもらいました。
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