水野の図書室
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皆さま体調に気を付けて今日も良い一日でありますように。


2003年05月31日(土) 小泉喜美子『情婦』

あぅ・・レトロですね〜情婦、って。初出は、'82年の「小説現代」で、作者は'85年に
51歳で急逝・・若くして亡くなったんですね・・。初めて出会った作家が、すでに亡く
なっていると知ったときの空虚な想いは、初めて読んだ小説に感じるものが大きい
ほど、ゆっくり大きく広がっていきます。

『情婦』 ─ その世界の親分(←これも、レトロぉ)と、彼が気に入ったストリッパー
(うーん、哀愁漂いますぅ〜)との短くはかない交流が描かれています。

ものすごく感動するとか、感激するとかとは、少し違います。泣きもしないし、笑い
もありません。読む前と後で、目の前の景色に感傷的になることもありません。
ただ、全然ムダがなくて、すっきりした潔さみたいなものが、いい感じですよ。
ストリッパーが無口を通すときの「──」が巧みですね〜。
そして、無口な理由はラストで納得☆


水野はるか |MAIL
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