水野の図書室
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皆さま体調に気を付けて今日も良い一日でありますように。


2004年12月25日(土) 谷村志穂『ルーキーたちの春』

病室のテレビで野球中継を見る享は、かつてプロ野球に入るのが夢だった──。

「妖精愛」(集英社文庫)8番目のお話は、夜の世界を抜けて、いきなり病室です。
野球を諦めて商社に就職したというのに、新人研修のマラソンで急性腹膜炎に
なり、入社早々入院することになるなんて、まったく、タイミング悪いですね。

同情します。他の新入社員との競争に出遅れたと思うのもわかります。まして、
運動部出身の体入社(!)ならなおのこと。でも、まあ、よくあることよ。
と、励ましたくなるような享クン。テルモス持ってお見舞いに来る彼女もいるし、
研修で気が合いそうな同僚もしっかり見つけているではありませんか。
なんとなく爽やかな好青年の印象で、入院しているのを忘れそうな明るさが◎。

「夢は育てることができる。夢は躾しなきゃいけない」と話す同僚村上クンも◎。
響きあう素敵な言葉にグッときました!夢は追うばかりじゃいけないんですね。
恋にも手入れが必要なように。


水野はるか |MAIL
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