水野の図書室
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皆さま体調に気を付けて今日も良い一日でありますように。


2004年12月26日(日) 谷村志穂『ガラス魚』

離婚して九州の実家に戻った美佐子は、町の観光課から頼まれて、東京から
来たテレビクルーのために、温泉客を装って魚釣りをすることになり──。

平凡な結婚生活の裏で、夫には愛人がいて、子どもも出来たことを知り、失意
のどん底状態だった美佐子が、生き生きと動くテレビクルーと接することで、
前向きに、今を楽しむことを学んでいくのは好感が持てます。
美佐子のこころを温めるカメラマン。そのカメラマンは、ディレクターと出会った
ことを大切にしている……ゆえに、人はひとりじゃないということでしょうか。

釣り上げられる太刀魚の描写がきれいですね。透明感って、女性は大好き!


これで、谷村志穂強化月間終了です。
全体を通して感じるのは美意識みたいなもの。タイトルからもわかるように、
谷村志穂の美意識の高さを感じる一冊で、繊細な美しさのカバーをめくれば、
筆者の写真のパーフェクトなこと!主人公も自分磨きに余念がありません。
女はいつも美しく。と、メッセージを受け取りました。


水野はるか |MAIL
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