水野の図書室
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皆さま体調に気を付けて今日も良い一日でありますように。
2005年05月08日(日) |
永井するみ『ビスケット』 |
あたたかい想いに包まれました。
知鶴は、リフォームを希望する家を訪ねます。70代の夫婦がふたりで暮らす 家は、築35年。バリアフリーにして、手すりをつけて・・と考える夫人に対して ご主人は……。
使い勝手が多少悪くても、長年住み慣れた家と、お互いの性格に嫌な面を 見ても、思いやりいたわりあう老夫婦には、どこか通じるものを感じます。 夫に甲斐甲斐しく尽くすことが生きがいのような妻と、頑固な夫。どこにでも いそうな老夫婦だからこそ、ふたりの気持ちが胸に迫り、じーーーん。
ミステリィあり、老夫婦の愛情物語あり、知鶴の成長も見え、読みごたえが たっぷり。インテリア・コーディネーターという仕事の大変さ、やりがい、喜び も伝わってきます。
連作短編集「ランチタイム・ブルー」(集英社文庫)の最後を飾る『ビスケット』、 とても良かったです。森クンの立場もはっきりしてきました。 永井するみ様 続きをぜひ、お願いします。ぜひ!
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