水野の図書室
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皆さま体調に気を付けて今日も良い一日でありますように。
2005年07月07日(木) |
倉知淳『桜の森の七分咲きの下』 |
新入社員が会社の花見の場所取りをしていると、いろんな人がやってきて…… というお話。誰も死なないので、気楽に読めます。新入社員のキャラが憎めなく、 そうそう、こういうタイプの人が場所取りを命ぜられるのよと、微笑ましく思って いたら、もっと強烈キャラの人が登場!待ってました!倉知作品に、お馴染の “猫丸”です。相変わらず、ぶかぶかの上着で愛嬌たっぷり、人懐こい笑顔で 馴れ馴れしくも鋭く、ミステリー読んでるのに、嬉しくなるじゃありませんか!
登場人物には、みな理由があるように、猫丸が現れたのも、それ相応な理由が あるんです。桜の木の下で起きた一連の出来事に、ある解決を示して見せて くれる猫丸。解決があって謎が生まれる奇妙な味わいのミステリーとなりました。 珍しい構成ですね。とても新鮮で弾みます。
猫丸は市井の賢人なのか、ただの変なヤツなのか、興味は尽きません。 他の作品で、また会いたい・・猫丸。
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