水野の図書室
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2005年07月20日(水) 北森鴻『ベトナムジッポー・1967』

先月、『根付け供養』を読んでから、次はこれと決めていた「孔雀狂想曲」。
『根付け供養』の骨董屋、越名集治の雅蘭堂を舞台に、数々の骨董品をめぐり
事件が起きる8編のミステリー連作集です。タイトルをサッと見たところ、カメラ
から古九谷まで、雅蘭堂で扱う骨董品は幅広く、お店に入る前からワクワク。
北森鴻と骨董品強化週間といきましょう。

最初の骨董品は、ベトナム・ジッポー。ベトナム戦争で米軍兵士たちが愛用した
オイルライターで、名前や部隊のエンブレムを彫り込んだジッポーは、戦場に
おける兵士たちの名刺であり、夜間着陸をする軍用ヘリへの誘導灯でもあり─
と知ると、ただの古いライターじゃないんですね。

『ベトナム・ジッポー・1967』は、そんな歴史を刻んだジッポーをめぐるお話。
ルポライターとして当時のサイゴンを知る老人が長年胸に秘めていた疑問に、
越名が応えてくれます。ジッポーの秘密を基に。さすが、骨董屋。よくご存知で。

この老人の孫娘、安積(あつみ)が押しかけアルバイト店員になるようですが、
雅蘭堂には違和感があるような女子高生が、越名の仕事にどう関わっていく
のか、気になります。有能な助手になることを希望しますが、なんだか、お店の
大事な物を壊しそうで、心配。。


水野はるか |MAIL
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