水野の図書室
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皆さま体調に気を付けて今日も良い一日でありますように。
2005年08月10日(水) |
北森鴻『キリコ・キリコ』 |
鉱物標本の次は、江戸切子細工の酒瓶をめぐるお話。見事なカットを施された 美しいガラス瓶の登場で、再び、骨董の世界に戻されました。やはり、石より 切子細工の方が、数段華やかで、想像力が広がります。
越名から、叔母の遺品を受け取りに来て欲しいという手紙を貰った樹里子は、 遺品が江戸切子細工であることに、十年前のある出来事を思い出し──。
樹里子と切子で、タイトルが『キリコ・キリコ』ですか……やや不満。。 もう少し、ロマンチックなタイトルにしてほしかったような。。まあ、ある出来事と いうのが、全然ロマンチックじゃないので、アレですが。樹里子の記憶を元に、 遺品に隠されたメッセージを読み解く越名、相変わらず、冴えています。
大事な場面では、アルバイト店員の安積はお休み。なるほど!それで、安積は 女子高生なわけですね〜、北森さん。いて欲しくないときには学校。賢明です。
骨董屋さんにある品物、それぞれがそれぞれの事情を秘めている。 モノにもストーリーがあるんです。
嗚呼、「ストーリーセラー」、そろそろ復活、待ってます……。
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