水野の図書室
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皆さま体調に気を付けて今日も良い一日でありますように。


2005年10月08日(土) 山田詠美『シャンプー』

短編集「姫君」(文春文庫)悼尾を飾る『シャンプー』、これもなかなか
良かったです。14歳の空(そら)ちゃんが語る離婚した両親のこと、隣の
クラスの智幸くんのこと、お父さんの新しい恋人のこと……うんうん頷き
ながら読んでいくうちに、空ちゃんがとても愛しく思えてくるんです。

中学生の空ちゃんの素直な気持ちは、子どもらしくもあり、大人でもあり。
ハッとさせられる言葉には、こちらもニヤリとしてしまいます。

さすが、詠美さま、鋭いです。
──過去をおだてているのよ──いつか、使いたいので覚えておきます。

──重荷なしで生きてくなんて、ぼくには出来ない──カッコいいー!

ふと、思ったんですけど、責任とか義務とかって、煩わしい反面、生きて
いく支えみたいなものなんです。誰かの重荷になるのも悪くないですよ。
受け止めてもらえるのなら。


水野はるか |MAIL
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