水野の図書室
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皆さま体調に気を付けて今日も良い一日でありますように。
2005年10月17日(月) |
本多孝好『FACE』 |
文庫になったら読みたいと思っていた「MOMENT」。文庫になったら、 集英社文庫特別企画「MOMENT最後のお願い」大募集!ですって。
人生の最後に願いをかなえてもらえるとしたら、何をお願いしたいかを 300字内にまとめて応募すると、審査のうえ、1作品を本多孝好がその 願いをテーマに小説に書き下ろし+副賞10万円 だそうです。締切は 2005年11月30日消印有効、詳しくは集英社のサイトでどうぞ。 文庫本には応募ハガキがついてきます。
「MOMENT」は、病院で清掃員のアルバイトをする「僕」に、患者たちが 最後の願いを寄せてくる4話の連作短編集です。舞台は病院なのに、 末期患者がその胸の内を明けるのが、ドクターでもナースでもなく、 なぜ「僕」で、人は最後に何を思い、その願いはかなうのでしょうか。
最初の願い『FACE』──死を間近にした患者の願いをかなえてくれる 人がこの病院にいるという噂を「僕」に教えてくれた老人は、戦争中に 自分が殺した下士官の家族の暮らしぶりを見てきて欲しいと頼みます。
願いというより依頼は、途中から予想外の方向へ。 礼儀正しく慎重に言葉を選ぶ好青年の「僕」が強く印象づけられました。
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