水野の図書室
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皆さま体調に気を付けて今日も良い一日でありますように。
短編集のタイトル「闇に香るもの」(新潮文庫)からイメージしていた香水が 登場しました。森瑤子さん……今もお元気なら、どんな恋物語を……と、 思ってしまいます。表参道ヒルズや携帯電話を、森さんなら、どんなふうに 描くのでしょうか。急逝されてから13年ですね。森さんほど、濃密で艶やかで めくるめくような淫靡さで、琥珀色の恋愛小説を書ける人は、なかなか いないものです。
『香水』は、婚約者の部屋を訪ねた女が、香水の残り香から他の女の 存在を感じ……というお話。な、なんなんでしょう?行間から立ち昇る香り。 読んでいくうちに息苦しくなります。匂い付き本?なワケないですよねー。 ムアムア香ってきます。ハァハァ・・酸欠状態になりそうです。息継ぎしないで 泳ぎきった感じで、読み終えました。。フゥ〜
人間、誠実で知性があれば、未来についてのどんな約束もすべきじゃない。 というようなことを男が言うんですけど、うーむ、これは、わかるわ〜。 口約束で婚約して、6年もずるずるきたら、男は女に飽きて、女は男に 執着するような気がします。どーですか?
女が自分の年齢に愕然とする口の周囲の皺、欲望に膨らんでいく男の 唇の両側が柔らかく釣り上がってできる官能の皺。皺(しわ)にもドキドキ。
愛と憎しみは紙一重。女は恐い。
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