Opportunity knocks
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2004年11月16日(火) 体力消耗した

梁白日 「血と骨」
さらっとした文章(昨日読んだ小説)の後に、かなり濃い文章。そのギャップが面白い。
映画の方と比べると、やっぱり小説の方が表現が豊かだとおもった。
映像には映像の良さがもちろんあるけれど、ある一面ばかりが情報として目に飛び込んでくるから他の面が見えにくくなってしまう。文章はその点、考える余地想像する余地を与えてくれる。

物語的には、とにかく金俊平。映画でも小説でもそうだったけど、なんだか触発されるものがあった。彼は彼なりの行動規範があって、それに基づいて生きている、その一生がどんなに不毛なものであろうとどんなに乾いたものであろうと彼はそんなことはどうでもいいと思っている。その潔さ、その野蛮さ、その正直さに圧倒された。
もちろんわたしは家族に対して暴力を振るったりしないし、大事にしたいと思っているし、平凡で幸せな人生を送りたいと思っている。でもほんとうはどこかで金俊平的なものが蠢いているような気もする。誰もがそういうものを心の奥底に沈めながら生きているような気がする。

北野武は…いまいち。若い頃の金俊平を演じた人、全く良くなかった。オダギリジョー、思ったより良し。田畑智子、このひとがいちばんリアリティがあった気がする。女教師役の人、オーバー・アクションぎりぎりだったけどまあ良かった。

誰の視点で物語が進んでいるのかが中途半端、成漢なら成漢でもっと成漢の主観なり心情を盛りこんでほしかった。性描写と暴力シーンに重点を置きすぎのような気もする。
小説の方が映画よりやっぱりよかった。



人は何のために生きているのか?そんなことは金俊平の知った事ではなかった。大多数の人間は生きるために生きており、やがて死ぬだろう。それだけである。そこには深遠な意味があるとはどうしても思えなかった。人間の喜怒哀楽も刹那的な一過性でしかない。金俊平にとっておのれが消滅すれば世界も消滅するのである


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