Opportunity knocks
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朝。昨夜ベッドに倒れこむ前に辛うじて目覚ましをセットしておいたおかげで、何とか6時半に起床。通りに面した窓を開けると、教会(たぶんドゥオモ)の鐘がぐわらんぐわらんときこえてきた。辺りはまだ夜中か?と思うほど暗い。 眠気でふらふらしながらシャワーを浴びる。朝食は7時から(ビュッフェ)たべられるときいていたので、5分前に連れ合いとコドモをむりやり起こす。 眠気まなこのまま3人で朝食。焼きたてのパンとフルーツジュースとヨーグルトがおいしい。果物やチーズの種類もいっぱいあってけっこう良い朝食だった。おいしいご飯だったせいか目が覚めた。
夜明け前のフィレンツェ↓

朝食後、でかける前の身支度。女の身支度は長いと昔から相場が決まっているが、うちは男の身支度もやたらと長い。長トイレして朝シャンして乾かしてつめ切って服選んで(×3)、なんてやっているうちに1時間経過。そうこうしているうちにだんだん外が明るくなってきた。 9時少し前にようやく準備ができたので、とりあえず外に出ることにする。 外はやっと明るくなったばかりで思ったより寒い。現地は日本と同じ気候かそれよりも弱冠暖かいと踏んでいたわたし、白のベネトンの長袖Tシャツにショートジャケットをはおってきたのだけど、…かなり寒い。隣をみると、連れ合いとコドモはあたたかそうなダウンジャケットをきている。向うは寒いよっていったでしょ?でもおまえ(かあさん)ゆうこときかないから、と(マフラーを貸してくれと懇願したわたしに対して)二人して冷たい目。まあ歩いているうちにあたたかくなるだろう、と楽観的にかまえてとりあえず歩き出す。
鐘の音が近くにきこえたからすぐ近くにドゥオモがあるだろうと思っていたのだけど、ホテルの前の道を左に曲がったらいきなり目の前に現れた。想像以上に壮麗で美しくて威厳があって素晴らしい建物。なんていうんだろ、ただたんに異文化の建物(歴史的建造物)を間近でみたという驚きだけではなく、純粋に(日本もイタリアもなく)美しいものをみたときの感動、そういうものを感じる。ぽかんと口をあけてはるか上のクーポラを眺める親子3人。 ドゥオモ内に入るには時間が早すぎたので、とりあえずアルノ川まで行ってみようということになり再び歩き出す。歩いている途中にもいろんなものに目を奪われる。開店の準備をしているカフェ、小さなトラックに山積みの野菜をおろしている農夫っぽいおじさん、小さな路地でバイオリンをひいている人、街のあちこちにある彫像、匂い、人の顔、声などなど、ほんとうにあきない。水を買いに行った小さなお店の人も「チャオ!、マダム」とにこにこしながら声をかけてくる。
小さなトラック(3輪!)に新鮮な野菜たち↓


ドゥオモから10分くらい歩くと、シニョリーア広場がみえてきた。広場を囲むようにヴェッキオ宮と彫刻が建ち並ぶランツィのロッジア、そしてウフィツィ美術館。まずヴェッキオ宮の時計塔にびっくりさせられ、そして無造作に置かれた彫刻の数々にびっくりさせられ、ウフィツィ美術館の入り口の小ささにびっくりさせられ(ついでに休館日だったことにもびっくりさせられ・・)ほんとうになにもかもに驚く。驚きすぎて疲れてしまうくらい驚く。
10時半。だいたいのお店が開店する時刻。それでも思ったより人が少ない(後でわかった、というか理解したのだけど、月曜日はほとんどの美術館や博物館が休みなので火曜日から訪れる人が多いらしい)でもまあ少ないといってもわたしにはちょうどいい賑やかさ。シニョリーア広場からウフィツィ美術館を抜けてヴェッキオ橋に行くと、いろんなお店がひしめきあっていてもう見てまわるのに夢中。宝石店、革製品のお店、骨董店、古本屋、洋服屋、お土産物屋、ほんとうにいろんなお店がある。各自見てまわるお店が違うのでここは1時間ほど別行動。橋の手前で待ち合わせすることにする。しばらくコドモをみていたけど、ちゃんと気をつけて行動しているみたいだし、もうかなり大人なのでしばらく目を離すことにして、その間自分の興味のある店でいろいろ買い物。いちばん印象に残ったのはやっぱりジュエリーのお店かな。アクセサリーをつける感覚が日本人とは違うからか、大胆なデザインや色彩が目をひく。アクセサリーは添え物という感覚ではなくて、むしろそれ自体がメインになるようなそんな雰囲気。ほしいなあと思ったものがいっぱいあったのだけど、残念ながら最後まで手が出ず仕舞い。so expensive。
ヴェッキオ橋の近く↓

1時間後、待ち合わせ場所にて無事に合流し、今度は高台にあるミケランジェロ広場まで。 歩いていける距離だと主張するわたしに対して、ナサケナイ男二人はタクシーで行こうよ…と主張。2対1ということで結局タクシーを拾う。ヴェッキオ橋から10分ほどで到着。とても見晴らしが良い。ヴェッキオ宮の時計塔とジョットの鐘楼とドゥオモがとても大きくみえる。広場の真中にはダヴィデ像(レプリカ)がどーんとたっていて、そのまわりに土産物の小さな露天みたいなお店が何軒かある。ダヴィデ像の模型とかキーホールダーとかハンカチとかポストカードとか。こういうところは日本の観光地とかわらないんだな、と妙に納得。
アルノ川とフィレンツェの街並み↓

景色を楽しんだあと、車の通れない散歩道を歩いて丘を下る。ヴェッキオ橋より少し上流の橋を渡っていろんな道を通りながら、市場をみてまわったり目についた教会(サンタ・マリア・デル・カルミネ教会、サンタ・クローチェ教会など)をみてまわったり、地元のスーパーマーケットを覗いてみたり。たのしみにしていたサン・マルコ美術館(もちろんお目当てはフラ・アンジェリコの「受胎告知」)、場所はわかったもののやはり今日は休館日のよう。明日は見られるといいけど、時間的に余裕があるかどうか。
お昼ご飯はサンタ・マリア・デル・カルミネ教会の近くのトラットリアでトスカーナの伝統料理(リボッリータ、ペポソ)やパスタ、ピッツァをたべる。家族で経営している感じのお店で、威勢の良いおばさんと気の弱そうなおじさんと将来格好良くなりそうな男の子がくるくるとよく働いていた。(英語がほとんど通じなかった・・)
お腹がいっぱいになったのでまた少し歩いていろいろ寄り道しながら再びドゥオモまで。朝とは打って変わってすごい人。ほんとうはクーポラの上にのぼりたかったのだけど、スペースが限られているところへかなりの人が列を作って並んでいるので仕様がなくあきらめることに。 礼拝堂の中は外観に劣らず、とても美しかった。天井画とかレリーフとか、荘厳なのだけど、優しさというか慈愛というか、そこにいるだけでなんとなく穏やかになるような、そんな心地。 しばらくそんな空気にひたったあと、少々疲れのきた足を休めるべく、ジェラードのあるカフェでひと休みしてピスタチオのジェラードをたべる。ちょっと大人の味がした。
そのあと、イタリア料理(トスカーナ料理)の食材専門店(明治屋みたいなとこ)に寄って、パスタソースやらオリーブオイルやらをいっぱい買う。ドゥオモの目の前にあるお店なのだけど、日本語が離せるスタッフがいたので遠慮なくいろんなことをきいていろんなことを教えてもらった(料理の作り方やフィレンツェのことなど)近くにおいしいリストランテを知らないかときいたら、良いところがあるといって地図を書いてくれたので、今夜はそこで食事をとることに決定。
親のテンションについていけないコドモ↓

一日中歩いてくたくたになったのでとりあえずホテルに戻る。 戻った途端、また強烈に眠気が襲ってきて一時意識がブラックアウト。30分くらいだったかな。連れ合いとコドモに起こされてしぶしぶおきあがる。そのまま朝まで眠れそうなくらいすごい睡魔だった。 夜になってますます寒くなってきたので、持ってきた服をとにかく重ね着して、さっき教えてもらったリストランテへ出かける。
その途中、大きな通りから少し外れた横道にあった小さなアクセサリーのお店が目に入る。ディスプレイされているものはほとんどオリジナルのハンドメイドらしくて、かなりわたし好みのものばかり。その中の一つ、赤茶色の石(?)が嵌め込まれた銀製のブレスレットが目に入り、その瞬間に人目ぼれしまう。素材はなにかと英語できくと「コーラルだよ」とのこと。コーラル・・・珊瑚?? とにかくとても気に入ったので即購入。値段は銀製にしてはそんなに高くない。それでも45ユーロほど。大事に大事に使おう。
久しぶりに自分の良いと思うものが買えたせいで、その夜はとてもとても嬉しかった。幸福な気分でご飯をたべ、幸福な気分でホテルに戻った。
ゆったりしたバスタブにお湯をはってゆっくりした後、連れ合いに1杯飲みにいかないかと誘われる。でももうその時点でもう瞼が落ちかかっていたので、とっても残念だったけれど行かないことにした。じゃあいってくるわ、と出かける連れ合いを見送りながら前夜と同じくベッドに倒れこむ。2日目の終わり。
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