妄想日記-オレのOヒゲがのびるワケ...satou

 

 

尾道それは・・ - 2002年02月13日(水)

尾道での出来事。
尾道って知ってます?あの大林監督の出身地でもあり、映画の舞台にもなっている、岡山と広島の丁度真中に位置する、瀬戸内海に面した町でゴザンス。

「転校生」「時をかける少女」「さびしんぼ」その他、新尾道三部作っていうのもありましたが、ハマリマシテネ、この映画達に。作品もそうですが、町に惹かれたんですよね。

1度は行ってみたいと思っておりました。
初めて行ったのは今から7年前くらいになりますか・・
昔お世話になった劇団の旅公演に便乗して広島まで行ったのです。
劇団の方々は九州公演もあったので、私1人広島から東京に帰るはずだったのですが、折角ココまで来たのだからどこか寄ろうと駅の本屋で地図を見てると
広島県尾道市の名が。

「そうか!尾道って広島なんだ!」

いてもたってもいられず、切符を買い電車に揺られて2時間かけて行ったのさ。
着いたのは夕方近くで、駅を降りると海の匂いが・・
細かく説明しちゃうと大変なので、ざっと町の説明しますと、駅を背に真っ直ぐ歩くと直ぐそこは瀬戸内海。向島も目の前に見えるでやんす。
船乗り場なんかもあって(映画の中でも出てきた)ワクワク、ワクワク。
駅左手を少し歩くと2キロ近く及ぶ商店街の入り口が。(詩人の林芙美子の銅像がある)
駅の裏手は山なのですが、民家やお寺が密集しておりまする。
重要文化財のお寺が沢山あるのだ。
坂道もアリの巣のようにクネクネしてて、石畳でとっても風情がある。

岡山と広島は戦争中破壊された事もあり、都会なのですが、尾道は古き良き日本の風情が残ってまして、タイムスリップしたかの様。

これが、まあ一回目の尾道との出会い。とに角、町に感動した。
「さびしんぼ」も存在するのではと・・納得させられた町との出会いでした。

2回目の尾道。ここで旅の醍醐味、人との出会いに遭遇。
今回はビデオを持参で、大林作品の撮影現場を訪れ撮影してきました。
お寺やら、風景やら、映画「転校生」の中で小林聡美と尾美としのりが転がる階段
やら(あたりに人がいないのを確かめ、転がってみる)・・

で、カメラ小僧になっていると、車のクラクションが。
「すいません」と俺。(夢中になって撮影してたら、車道に出てた。)
車のおじさん「どこから、来た?」と
俺「東京です」
おじさん「映画好きか?」
俺「はい、大林作品が好きで、遊びに来たんです」
おじさん「そうか!ワシ大林と幼馴染だぞ」
なんて話をして、「いい旅を!」と言って車を走らせた。

ブラブラしてたら、おじさんまた舞い戻り
「今から300年に一回しかお目にかかれない、仏像があるから見たほうがいい!」との事。
おじさんに連れられ、お寺に向かう。
道すがら、どうやら、大林監督とは、ホントにマブ達らしい。エキストラでも、かなりの大林作品に参加しているとのこと。

そういえば!尾道に来る2日前、TVのインタビュ―で大林監督が尾道の事を話していて、尾道でエキストラを頼む時は、幼馴染で今は尾道の商店街の会長をしている人物に頼むと話してた・・「もしや!」と思い
俺「おじさん、もしかして商店街の会長さんしてません?大林監督がTVで話して  ましたけど」
おじさん「ああ、それ、俺、俺」

俺の心の声「マジかよ!!!すげ―偶然!監督が話してたその人に会えるとは!」

お寺に着くと、珍しい仏像が見られるという事で、沢山の人だかりが。
しかしそこは商店街の会長さん、顔が広いのなんの!
会う人、会う人に「彼は、大林君が好きで、尾道に来たんだ」と紹介しまくり。
7〇歳近いお年よりの方もいらして、「私は、さびしんぼに出演ましたよ」とのこと。
そういう方々とお茶を飲み仏像を見ながら、語らっただけでも、面白かったのに・・。(十分満足でしたが)
おじさん「時間があるなら、尾道を案内してあげよう!」という事になり、おじさんの車へ。
監督が撮影した現場を片っ端から案内してくれた。
しまいには昼飯までご馳走になり
「今から俺の店に行くけど、君もおいで、お土産あげるから」と。

おじさんの名前は菊地さんでした。ちょうど、商店街の入り口近くに店があり、大林監督との写真やら、三浦友和主演の映画「おかしな二人」にもおじさん、警官役で出演。そのスナップ写真なども飾ってありました。
お店は「提灯屋さん」なのですが、さながら大林監督ご用達のお店といった所。

しかし、このおじさんやはり面白い人で、本当は秋祭りの準備の為、今日までに終わらせなければならない提灯作りがあったらしい。
いきなり店番をしていた奥さんに店先で
「あんた!どこほっつき歩いてたのよ!」と怒られてました。
ホントは仏像見て直ぐ帰ってくる約束だったみたい。
おじさん、ここでも「いや、彼は、大林君が好きで、尾道に来たんだよ」といい訳してました。
俺もフォロ―入れなきゃと思い「すいません、いろいろ案内してもっらって、お昼までご馳走になって」と。
奥さん、さすがに俺には「あら、いいのよ、この人、そういうの好きなの。もうまったく」と笑顔になってくれました。
(なんでこんなに覚えているかと言いますと、おじさんと会ってから、夫婦ケンカまで、ビデオカメラを回しておったのさ)

裏の工房で提灯作りも見せてもらい、映画「ふたり」の文字が入った提灯まで頂き、いい思い出が出来ました。菊池さん、ありがとう。「また来ます!」と言ってあれから、かれこれ5年も過ぎてしまいました(住所も無くしてしまった)
お元気でしょうか?またお会いしたいですが・・。

菊地さんが言っていた
「俺と、大林君でよく言ってたのが、子供のように童心の気持ちを持ちつづける事が大切なんだよ!ほんと、そう思うよ」この言葉が印象的でした。




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