almanac of the wind







2001年05月01日(火) 「ピアノを弾く」について。



昔ほどではないけれど、
時々、ふとおもいついてピアノを弾く。
だいたい夜弾くことが多い。
御近所迷惑だったらごめんなさいね。

「あ、ピアノを弾こう」

というのは、か
なり唐突にやってくる。
例えば、お風呂にゆっくり使っている時とか、
書き物をしてたり、
あるいはねむっていたのにいきなり弾きたくなる。

弾くものはそんなに決まってないと思うけど、
まあ、わたしの腕くらいだから、
本棚に入っている楽譜を思い付くままにひきだして、
最初にひらいたものを2、3曲弾いてみる。
ジューベルトや、ベートーベンや
昔の歌謡曲だったり、ジャズだったり、本当に、色々。


‥‥弾いている間は何も余分なものがなくなっている。


鍵盤の冷たさ。
部屋中に漂い出す音。
ペダルの軋み。
なんらかの祈りに似ている気がしてくる。
ならば何に祈ってるのだろうか?
なにかを、叶えたいのだろうか?
なんの許しを得たいのだろうか?


ふと、最後の音が響き終わった瞬間、
なにかが消え去っている自分と向かい合っている。
自分は自分以下でも以上でもない。
そんなふうに思う。
そして部屋中の空気をいっぱいに吸い込んでから、
わたしはスツールを降りる。







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さくらっこ [MAIL] [HOMEPAGE]

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