日記帳

2004年06月18日(金) 密室

娘の体から、針やらチューブやらが全て取れた。うれしい。

病院に入院する中で、たぶん娘にとってつらいのは、検査という痛い怖い体験と、ひとりで過ごす時間が長いという二点だと思う。

検査はほんとにかわいそうだった。治療のために必要だとわかっていても、娘の泣き声を聞くと涙がこぼれた。

どんなに呼んでも叫んでも、オカーサンは助けにきてくれないし、白衣の人たちは止めてくれない。二歳にして娘は絶望というものを味わったかもしれない、と大袈裟に思う。

最初は「オカーチャーン」と呼んでいた声が、徐々にただ痛いだけ、怖いだけの叫びに変わっていくのを何度も聞いた。

患者が小さい場合、親の姿が見えると助けを求めて暴れたりするから、或いは親にとって残酷な場面を見せないように、という配慮からなんだろうが、処置するたんびに密室に連行するのは納得がいかない。

見たっていいじゃないか。大事な娘の体になにしてるのか、カーサンは知りたかった。

目の前でシャッと音を立ててカーテンを閉めた、あの看護婦さんの表情を私は忘れない。


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