日々雑感
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午後から友人と会う。日曜日の街は賑わっていてもどこか静かだ。同じよく晴れた午後でも、土曜や平日のそれとは明らかに違う。
日曜日が休みで月曜日から仕事や学校という生活を送っているわけでなくとも、日曜日の午後にもの寂しくなる感覚は消えない。いっそ夜になってしまえば大丈夫なのだけれども、日がまだ高い午後の時間帯がいちばんどうしようもない(そして、なぜか晴れている日に、一層強くそう感じる)。
みんなどこかで「もうすぐ終わってしまう」ということを意識しているみたいだ。何かが終わるときの寂しさ。静けさ。日曜日にはそれが見えやすい形で表れるのだろう。村上春樹のエッセイで知ったのだが、スコット・フィッツジェラルドが「魂の午前三時」について述べているらしい。魂の午前三時に目覚めると、どんな人でも死にたくなるくらい孤独になるという。わかる気がする。けれど、「魂の日曜午後三時」に置き去りにされるのも、なかなかきついのではないか。そして、「魂の午前三時」と「魂の日曜午後三時」の違いは、「孤独」と「寂しさ」の違いかもしれないと思う。
公園を散歩する。葉っぱが落ちた木々の枝が夕空を背景に影になっている。落ち葉を踏んで歩く。冬の空気には野焼きの匂いが混じっているような気がするのはなぜだろう。
さらにぶらぶら歩いて古本屋を覗く。小さい店だが、品揃えが独特で面白い。『昔ばなしとは何か』小澤俊夫(福武文庫)『古代北欧の宗教と神話』F.ストレム(人文書院)を購入。また積読本が増える。本を買ったり、鯛焼きを食べたり、温かいうどんを食べたりしているうちに元気が出てくる。
友人と別れた帰り道の途中、新しく秋田料理屋が出来ているのを発見。入り口上の看板は大きな「なまはげ」のイラストである。それはいいのだが、そのなまはげ、なぜか青々としたヒゲの剃り跡が丁寧に描かれている。おまけにタレ目。鬼というよりは酔っ払って顔を赤くした人の好いオヤジという印象。あんなのが来ても怖くないよなと、鏡に向かってヒゲ剃りをするなまはげの姿を想像しつつ帰宅。
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