日々雑感
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2001年12月19日(水) 夕方、路地裏で

夕方、細い路地で家族連れとすれ違った。両親に小さな男の子の三人。男の子は一生懸命に話し掛けている。

「手裏剣か〜。お父さん、なつかしいね。」

小さい子でも「なつかしい」という感情を持つのだ。当たり前のことなのに、はっとした。いつの間にか、思い出やなつかしさは大人の専売特許だと考えるようになっていたらしい。

「なつかしい」という感覚を持ち始めるのはいつ頃なのだろう。小さい子には小さい子なりに、大人には大人なりに、いろんな思いがあり、思い出があり、「なつかしさ」がある。あの子はいったい何をなつかしんでいたのだろう。(そして、彼の今までの人生に手裏剣にまつわるどんな出来事があったのか。)何にせよ、なつかしいという感情には、その対象への愛しさがやはり含まれていると思う。その子の口調も、あまりにしみじみとしたものだったから。

友人から郵便で真心ブラザーズのCDを録音したテープが届く。さっそく聞く。彼女の趣味でYO−KINGのボーカルのものばかり入っていたが、この人の歌は歌詞がはっきりと聞こえてきて、すとんと届く。歌詞と曲が一体になっているのだ。こうした歌はBGMにはならない。作業の手を止めて聞き入ってしまう。しみる。


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