日々雑感
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2002年01月11日(金) この20年

午後から出かける。雪が降ったり、晴れ間がさしたり、雨になったりという空模様。雲の切れ間からのぞく空が深い青色をしている。この季節は快晴になることはめったにないけれど、だからこそ、時折のぞく青空がいっそう美しいと思う。

行きつけの温泉へ。珍しく父親もいっしょだ。風呂嫌いの父が、ここだけは好きなのだという(理由は「ぬるいから」)。時間も早かったので、温泉に直行せず、町の奥のほうまで車で行ってみる。古い大きな家が多く、枝垂桜の木も何本かある。家と家のあいだに細い川が流れている。思いがけず賑やかな町並み。しかし、背後まで山がせまっているため、昨年の春・夏にはクマが降りてきたらしい。

帰る頃には日が暮れてきた。雪原の中の一本道を車で行く。山のふもとのあたりにだんだんと灯りがともってゆく。空気が澄んでいるせいか、ひとつひとつがとても明るい。遠くに見える灯りは、どうしてあんなにきれいなのだろう。だだっ広い地面の上、互いに灯りをともして導き合っているみたいだ。

夜、祖父母の家を訪問。祖父はお酒が入って既にご機嫌。とっておきの日本酒を出してくれる。二人して氷川きよし「箱根八里の半次郎」を練習中ということで、立ち上がって歌ってくれる。

祖父母の家は、今年で築20年になる。「あっという間の20年だったな。」「何もしないうちに20年たったな。」聞きながら、自分自身はその20年の半分を東京で過ごしていることに改めて気づいた。不思議な気がした。東京での月日が、やがてここで過ごした月日を越えるのだろうか。今はまだ実感がわかない。


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