日々雑感
DiaryINDEX|back|next
池袋のスタジオで練習。クラシックやジャズ系の人々が多いなか、太鼓やらギターやら笛やら持って乗り込む。何人かで演奏していると、ふと、何か憑き物が落ちたようにピタッとまとまる瞬間がある。演奏に一体感やうねりが生まれる。今日は始めからそんな調子。「どうなるかと思ったけど、よくここまできたね」と皆でしみじみする。来週の本番が楽しみになった。
大荷物の楽器をいったん家に置いたあと、夜は高校時代の同級生たち四人と新年会。そのうち一人は卒業後初めて会うのだが、待ち合わせの新宿駅で「どうも。」と声をかけてきたときは、一瞬誰だかわからなかった。思うに、20代くらいは、外見が激しく変わるのは男性のほうではないか。昨年、久しぶりに高校の同窓会を開いたときも、女性のほうは単に「年齢を重ねた」という感じなのに比べ、男性のほうでは「わからなくなっている」人が多かった。30代がどうかは、また別のはなし。
土曜の夜の新宿は人が多い。あの道もこの道も人だらけ。一人で歩いてる人、集団で歩いてる人、大勢人はいるけれど、その大部分は互いに「見知らぬ人」のまま、この瞬間すれ違って、その後二度と会うことはないのだ。人と出会う、人と知り合うというのは奇妙なことだと、ふと思う。誰かとつながりを持つというのは、実はとてもすごいことではないのか。
街の上には細い月。空から眺めれば、建物の狭間に無数の人間がうごめいていて、自分もその中の一粒にすぎないのだ。そうした一粒と別の一粒がめぐりあって、つながりを持って、こうしていっしょに歩いたりしている。やっぱりすごい。
|