日々雑感
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2002年01月20日(日) 考え事をする場所

夢の中で虹を見る。きれいな半円型をした大きな虹だ。海の上にかかっているのだが、立ち上がってくるその出発点まではっきりと見える。虹を見かけたり、流れ星を見つけたりしたとき嬉しいのは、見たいと願って見られるものではないからか。電車に乗りつつ、そんなことをぼんやりと考える。日曜の午後の電車。

考え事をするのは電車の中がいい。それも、地下鉄ではなく地上を走る電車で、空いているやつに限る。窓の外には、ずっと向こうまで街が広がっている。飛行機雲がひとすじ、ゆっくりと伸びてゆく。遠くで木の葉が風に揺れている。外の景色が見えて、周りに人がいると、考えが変な方向へ行かない。外の空気を感じながら考える。流れの中に身を置きつつ考える。電車が揺れるリズムもいい。そのうちにうとうとしてきたりする。

高校の頃は電車通学だった。横長シートではなくボックス型の座席だったので、空いている時間帯には、席がとれればほとんど貸しきり状態になる。友人とお菓子を買い込んで食べたり、話したりもしたが、それぞれぼうっとして窓の外を眺めていることも多かった。何もせず、ただとりとめもなく浮かんでは消えてゆく思いに身を任せていられる時間。片道40分の道のりを「もったいない」とか「大変でしょう」とかいう人もいたけれど、あれはとても贅沢な時間だったと思う。

電車を降りて、用水路ぞいを散歩。冬枯れの木の中に、何か色のついたものが見える。近寄ってみると梅の花だ。白い色がはっとするほど鮮やかで、「色がある」というのはすごいことだなあと思う(「白」も立派な色)。


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