日々雑感
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2002年01月29日(火) 神保町へ行く

神保町へ行く。三省堂のあたりから歩き始めて、順々に店をのぞいていく。今回は文庫本を探していたので、店の外の棚に並べられている本など主に見て歩く。平日午後の神保町は、それでもけっこう人が多い。店内では「常連おじさん」のような人が店主と何かしゃべったりしている。

神保町はまだその入り口しか知らないなあと思う。狭い店内に積み上げられた本、古本の匂い、曲者っぽさをぷんぷんさせている店主。お店に入るとドキドキしてしまったりと、「神保町道」は険しい。結局目当ての本は見つからず、目についた本を一冊だけ購入。ふと見ると、古書センターのエレベーターに「大古本市」のポスターが貼られている。渋谷の東急東横店が会場で、ちょうど開催中。

半蔵門線に乗って渋谷へ移動する。8階の催し物場へ急ぐと、大盛況だ。何軒もの古本屋がそれぞれブースを出しており、ずらりと本が並んでいる。「あいうえお順」や「ジャンル別」に分かれているわけではないので、探すのが大変。しらみつぶしに見ていくしかないが、思わぬものが隠れているのを発見できるので、それもまた楽しい。絶版文庫のコーナーがあって「ほしい」と思うものが何冊かあったが、すごい値段がついていて驚いた。「古本」=「安い本」というわけではないのだ。

それにしても「大古本市」ともなると、バーゲンのような雰囲気である。「この本は誰にもわたさない」とか「見逃してなるものか」とか「買ったるで」とかいう熱気がむんむんしていて、ちょっと気おされる。じっくり見たかったのだが、ぐるりと一周しただけで、その熱気にやられて退散。古本市でよい本を見つけるためには、気力・体力が必要と思い知る。

電車で帰宅。横断歩道を渡ろうとしたら、向こうから散歩中の犬が歩いてくる。あれは何という種類だろう。小さな犬だ。耳のところに赤いリボンをつけている。飼い主の歩調に合わせて、人の波の中を歩いてくる。小さい手足を動かして、まっすぐ前を見つめて一生懸命に歩いている。横断歩道の真ん中ですれ違う。青い夕景の中。


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