日々雑感
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2002年01月30日(水) スパナポ

電車の中で川上弘美さんのエッセイ集『ゆっくりさよならをとなえる』(新潮社)を読んでいたら、「ナポリタンよいずこ」という一章があった。突然スパゲティーナポリタンが食べたくなり、置いてありそうな「由緒ある昭和風の喫茶店」を探して町中さまよい歩くが、結局どこにも見つからないという顛末を描いたもの。「ハムと缶詰のマッシュルームを油で炒めたところに、ちょっと茹ですぎたスパゲティーをほぐしながらいれて、最後にトマトケチャップをちゅーっと絞り出してからめた、あの古式ゆたかなスパゲティーナポリタン」。読んでいたら、どうしてもスパゲティーナポリタン、川上さんいわく略して「スパナポ」が食べたくなってくる。

スパナポ、スパナポと思いつつ帰りがけにスーパーに寄ると、惣菜コーナーに小さいパックで「スパゲティーナポリタン」が売られている。おまけに30円引き。もちろん買う(自分で作ったほうが安上がりじゃないかというのはこの際なしで)。

帰宅してさっそく食べる。濃いケチャップの味がおいしい。「食べたい!」と思ったそのときに欲しているものを食べると、おいしさが3割増くらいになる、こんな幸せはないなあとしみじみ思いつつたいらげる。


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