日々雑感 DiaryINDEX|back|next
電車の中で川上弘美さんのエッセイ集『ゆっくりさよならをとなえる』(新潮社)を読んでいたら、「ナポリタンよいずこ」という一章があった。突然スパゲティーナポリタンが食べたくなり、置いてありそうな「由緒ある昭和風の喫茶店」を探して町中さまよい歩くが、結局どこにも見つからないという顛末を描いたもの。「ハムと缶詰のマッシュルームを油で炒めたところに、ちょっと茹ですぎたスパゲティーをほぐしながらいれて、最後にトマトケチャップをちゅーっと絞り出してからめた、あの古式ゆたかなスパゲティーナポリタン」。読んでいたら、どうしてもスパゲティーナポリタン、川上さんいわく略して「スパナポ」が食べたくなってくる。
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