日々雑感
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古本屋を周るという友人にくっついて早稲田へ行く。駅前の新刊書店で待ち合わせ。
学生や穴八幡へ向かう人たちが入り混じって、人が多い。何の日なのか、穴八幡の参道の両側にはぎっしりとお店が並んでいる。飴、お好み焼き、占い、くじ引き、カツラ、などなど。お祭りともなると、どこかからやってくる人たち。
穴八幡を抜けて大通りへ。早稲田から高田馬場までの通りには古本屋が多い。ちゃんと周るのは初めてだ。学生街のせいか、品揃えがいろいろで面白い。友人の目当てのお店では、着物姿のおかみさんがレジに座っており、買った本をていねいに包んでくれる。棚に並んだ本は、どれもパラフィン紙できれいに包まれており、本自身もこんなふうに扱われたら本望だろうと思う。一冊ずつに生命や時間が宿っているみたいだ。
大通りの脇に目をやると、細い坂道が何本も延びている。歩いていったら楽しそうな道ばかり。くねくねと曲がり、それにそって建物が並んでいる。このあたりは窓が木枠でできているような古い建物も多い。
一通り眺めたあと、もう一度早稲田まで戻り「メーヤウ」というカレー屋で遅い昼ご飯をとる。半端な時間帯だが人は多い。「ここ、辛いよ」と言うので、メニューの中でいちばん辛くないインド野菜カレーを選ぶ。同行の友人はインドポークカレー。インド野菜カレーは辛さ度数を表す星0.5だが十分辛い。鼻の頭に汗をかきながら食べる。友人のインドポークカレー(星3つ)を味見させてもらうと、言葉にならない辛さ。隣りのテーブルで激辛(星5つ)をたのんでいた学生四人組は、顔を真っ赤にして汗を流している。でも、味はいい。とてもおいしい。次に来たらタイ風グリーンカレー(星2つ)にしようと心の中で誓う。
高田馬場までぶらぶら歩き、電車に乗ろうとしたら、今度は駅前ビルで古本市開催中。いちおう眺めてやはり一冊購入。ここまできたら「今日は本を買う日」ということだろう。覚悟を決め、渋谷に出てブックファーストへ行く。ほしかったが古本屋になかった本など買って、散財。今月はもう、あんまり本屋に近づかないことにしよう。
もうすっかり暗くなった渋谷で、居酒屋に入り刺身と瓶ビールをたのむ。おいしい。いい気分になって「酔鯨」という高知のお酒も飲む。
電車で帰宅。少し開いた窓から入ってくる風が気持ちいい。帰り道、梅の匂いがする。春の夜みたいだ。暗いのに、梅のピンク色がはっきりと見える。いい一日だった。本で重くなった鞄を抱えつつ、しみじみと思う。
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