日々雑感
DiaryINDEX|back|next
バイト先に届け物をする。ここに来ると、いつも「これ持っていきなさい」といって、みかんやらお菓子やらもたせてくれる。人が多いところなので、お土産などのお菓子類が集まるのだ。今日も、週末にディズニー・シーに行った人のお土産があり、チョコレートやクッキーなど、いろいろ包んでくれる。「これだけでいい? 好きなのもっと持ってって」。小さい頃のおつかいを思い出す。
電車の中で『月島物語』四方田犬彦(集英社文庫)を読む。面白い。ある街を魅力的に書くということについて考える。その街の空気だとか色だとか、そういうものを浮かび上がらせる方法。掘り当てる方法。この本は月島に暮らした著者の日々の描写と、街の歴史などの記述のバランスがいい。月島の陰影。こうした書き手を得た街は幸せだと思う。
以前、大学の教官に「街を読むということを覚えたほうがいい」と言われた。当時はピンとこなかったのだが、最近になってこの言葉をよく思い出す。
夜、NHKでドラマ「喪服のランデブー」の再放送を観る。5回シリーズの最終回。作品全体に漂う叙情、映像も音楽も美しく、役者さんたちも皆はまり役でとてもよかった。見終わったあとに、しばらく余韻が残るようなドラマ。ずっと記憶に残るドラマというのは、作品の筋うんぬんよりも、そのドラマ自体の世界をちゃんと持っているものであるような気がする。そこに流れている空気だとか匂いだとかが忘れられなくなるのだ。
外は雨。最近の雨はどこかあたたかく、春の気配がする。雨の音をぼんやり聞いていたら、いつの間にか寝入ってしまう。朝目が覚めたら電気つけっぱなしでコタツの中。またやってしまった。
|