日々雑感
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2002年02月07日(木) 風の音を聞く

朝から風が強い。窓の外の洗濯紐がバタバタと揺れている。少しだけ開けた窓の隙間から吹き込んでくる風の音。

風の音って何だろうと考える。「風の音がする」というとき、それは風そのものの音なのだろうか。それとも、何か別のものがあって、はじめて風の音と知るのだろうか。木々のざわめきや、建物がガタガタいう音や、自分の耳元を通り過ぎるときの響きで。

例えば、嵐のときの風のとどろき。あれはどうなのだろう。世界全体が低くうなっているかのような音。風の音というのは何か別のものの響きなのだろうか。

けれどもひとつだけ、風の音を聞くというのは、森羅万象に対して耳をすますということだと思う。そして、そのとき自分自身は空っぽになる(ただ耳をすまし、風の音を感じるために)。風の句を詠みつづけた山頭火を思う。風を聞く彼の心象。あるいは、風の音を鮮やかに言葉で示してみせた宮沢賢治。「どっどど どどうど どどうど どどう…」

そういえば、村上春樹の『風の歌を聴け』もある。

『日記をつける』荒川洋治(岩波アクティブ新書)を読む。自分で日記を書いていながらこういう本を読むのは怖いなあと思ったが、著者が荒川洋治なので購入。ものすごく面白い。ハウツー物を装った、日記をめぐるエッセイという感じだ。読みながら何度も笑ってしまう。『日記をつける』を読んで笑っているというのも、傍から見たら変な人かもしれない。



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