日々雑感
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なつかしい人の夢を見る。
その人が誰か知らない。顔は見えず、ぼんやりとしている。それでも「やっと会えた」と思った。うれしかった。夢の中で心の底からほっとした。目が覚めたあともしばらく「なつかしさ」の余韻が消えない。窓から陽射しが入ってくる。
いい天気だ。大家さんの庭では桜草が咲き始めている。ピンク色の小さな花。大家さんの猫モモちゃんは車の上で丸まって昼寝している。陽射しの暖かい日。
角の金魚屋の前を通る。通りに面して水槽がずらりと並び、小さいのや大きいのや、色とりどりの金魚がたくさん泳いでいる。水槽に移しかえる前の金魚が、大きなビニール袋に入ったまま道に無造作に置かれていることもある。野生の金魚というのはいるのだろうか。ふと考える。水槽の中の世界。水槽越しの眺め。水が太陽に反射してきらきら光る。金魚の体も光る。
夜、CDを聞きながら持ち帰りバイト。歌詞のないものをと思ってクラシックにする。パッヘルベルのカノンやG線上のアリアを聴きながら、リフレインについて考える。ひとつのものを繰り返しているようで、それは決して同じところに留まってはいない。変奏を重ねつつ、螺旋をえがくようにずっと続いてゆく。そして、自分もまたそんな螺旋の上にいる。
リフレイン。遠くから響いてくる。遠くまで響いてゆく。
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