日々雑感
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2002年02月23日(土) |
航海中の信号、そして港 |
友人から手紙が届く。
彼女とは、中学生の頃からずっと手紙のやりとりをしている。彼女は東京、自分は秋田で、中学校、高校、上京して大学生活、ずっと手紙を書きあってきた。ほんとによく書いた。パソコンも電子メールもまだ普及しておらず、便箋に手書きで何枚も何枚も書いた。彼女は本好き・舞台好き・映画好きで、便箋からはいろんな世界が垣間見えた。私の手紙からは何が見えていたのだろう。
二人とも同じような道に進んだけれども、彼女は本を書き、非常勤講師を務め、結婚もして、自分の選んだものに確信と愛情を持って全力を尽くしている。その迷いのなさがまぶしく、うらやましかった。すべてにおいて自分とは正反対だったので。
けれども、手紙を読むとそこにはいろんな不安がつづられていて、ああ、同じだなあと思った。迷いのない人などいないのだ。周りからはどう見えようとも、本人の中ではいろんな思いが渦巻いているのだ。あとは、そうしたものに対して、どう自分で納得していくかなのだろう。必要なのは、選び取る覚悟とそれを持続する強さなのかもしれない。
彼女のことは勝手に「同志」だと思っている。これからも、それぞれの航路をゆくだろう。航海中の船が互いを確認するための信号を出すように、時折、手紙を書きあいながら。
夜、高校時代の友人たちと会う。今回は5人。居酒屋で鍋を囲みつつ、飲み、話す。牡蠣の雪見鍋。これもまた、旅の途中の港でたまたま落ち合い、ひととき停泊しているようなものか。
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