昨日訪ねた友人の部屋はよかった。小さなソファや、木の机が置かれた窓際の勉強コーナー。ストーブが暖かく燃えて、オーブンも付いたキッチンからはよい匂いがしてくる。いろいろなものが、あるべくしてそこにあるといった感じで配置され、かといって余りに機能的というわけでもない。おまけに、窓からは大聖堂が見える。この部屋だったら、例えば寒い雪の日、こもっているのも楽しいだろう。住む場所を居心地よく整えるという能力が、たぶん自分には欠けている。巣作りがつくづく下手だと思う。どこにいても、ずっとここにはいないだろうと無意識に考えているのか。そして、そうだとすれば、それは何かから目を背けているということか。いろんな人に「風任せ」と言われるのも、もっともである。終日、雨。夜にはみぞれになるかもしれない。