日々雑感
DiaryINDEX|back|next
とあるお宅に招待される。この日、気温はマイナス9度。にもかかわらず、その家の猫は戸外にて走り回り、中へ入ろうとしない。ドイツの猫はたくましい。キジトラの大きな猫だ。
料理はすべてご主人が担当。いっしょに訪ねた人によると「料理の腕はプロ級」、毎日台所に立っているらしい。今日のメニューは、かぼちゃのスープとチコリのサラダ、それにいろんな種類のキノコが入ったリゾット。どれも美味。特にリゾットがすばらしい。しかし、本人は不満らしく、作るたびにコツはつかめてきたけれども、まだ20パーセントほど「何か」が足りないのだと言う。いわく、「外食するたびにリゾットを注文して研究する」。きっとこの姿勢が、ある道を究めるために必要なものなのだ。感心しつつ、80パーセントあれば上々と思ってしまう我が身を振り返る。
本日の料理人、食後には葉巻で一服。見ると、葉巻の先をグラスの赤ワインに軽くひたして、それから火をつけている。こうすると風味が増すらしい。五感の中でも、味覚が特に鋭い人なのかもしれない。
帰る頃には雪となる。さすがの猫も暖かい部屋の隅で丸くなっていた。
|