日々雑感
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学期が始まったばかりのせいか、構内の人口密度が高い。通学用のバスも満員で、乗り込めない人も出てくる始末。朝からの晴天もあって、歩いて帰ることにする。
大学から街の中心部までは緩やかな坂道を下る。途中、ポプラ並木を通り過ぎる。たんぽぽが一面に咲いた原っぱがある。花の色よりも木々の緑の鮮やかさが目にしみる。道沿いにあるビアガーデンでは、夕方というにも早い時間帯だというのに、もう大勢の人がグラスを前に喋ったり、笑ったりしていた。皆が心待ちにしていた季節がいよいよ近づいてきたらしい。
ベビーカーに乗った小さな男の子とすれ違う。食べかけのブレッツェルを手にしながら、太陽のほうを向いて目を細めている。まぶしいか。暖かいか。彼にとっては、まだほんの数度目の春である。
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