ユタカ君の送別会は例によって例のごとく、アルコールが入ると日頃のマシンガントークがさらにヒートアップするK嬢の独壇場で、肝心の主役であるユタカ君がかすんでしまう、と言うなんともいただけない結末を迎えたのだが、ユージくんの時と違い、付き合いが短かったせいもあり、それほど思い入れもなかったため、まあ、こんなもんか、と。
とは言え、今回の異動でそれなりに気落ちしている彼の最後の出勤日には、せめてはなむけの言葉でも、と思ったあたしは、
「今までと全く違う業務内容で、今までの経験が全く役に立たないかもしれませんけど、逆にこれからの経験が、いつかまた売り場に戻ってきたときに活かせるかも知れませんし、大変だと思うけどがんばってくださいね」
と言ったのだが、彼は
「いや、大丈夫ですよ。とりあえず1年はがんばるつもりですし」
と実に横柄に答えた。
まあ、いいさ、老婆心だったかもしれないしね。
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