「一歩売り場に立ったら、あなたたちは女優なの!何があっても演じなければならない」
以前の上司の言葉は常に脳裏の片隅にある。
「辛いこと、苦しいことは絶対見せない。それが美学」
その知人様の言葉もそれに通じるものがあって。
じゃあ、と思う。
常に演じつづける必要はあるのだろうか。
己がいる場の、その時々に応じて、役割分担を演じきることが必要なのだろうか、と。
素である自分は一体どこにあるのか。
楽しいことばかりが人生ではない。
年に1度の記念日を彩るのが、偽りではなく、本物の笑顔であるべきなのは言うまでもないのに。
湧き上がる苦い想いに、蓋をして、満面の笑みを浮かべて祝うのだ。
さあ。
記念日の詰まった10月が始まりました。
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