今日の朝刊で、ちょっと気になる言葉を目にした。それは全面広告のキャッチコピー。大きな文字で踊っていた。
「誇大広告みたいな本当の話」
英語教材の広告だ。その教材は「くり返し聴かずにはいられない面白さ」らしく、これで勉強すると「三万語がいつの間にかインプット」されるそうだ。それはすごい。その自信マンマンな言いっぷりに敬意を表し、ここでその根拠となる部分を引用してみたい。
「何と! 十二章完結の物語の中に、大切な単語や熟語、言い回しをバッチリちりばめてくれた」
それはそれは。そこまでしていただいて。
「その量およそ三万語の長文。BUT、長文だからと後ずさりすることなかれ」
うーん、「BUT」って言っちゃうセンスってどうなの?なんて考えてはいけない。せっかくなので、「後ずさりしないで」、身を乗り出してもう少し読んでみよう。
「これを楽しいCDにのせて聴き流していれば、いつの間にか好きな歌を口ずさむように、英語が自然と口をついて出るようになるのだ」
ホントかよ。黙って聞いてりゃヌケヌケと。ついそんな野暮なツッコミを入れそうになってしまうが、ここもグッと我慢。なんといっても「本当の話」なんだから。日本人が一億二千万人もいれば、きっと「いつの間にか英語が自然と口をつく」人もいるのかもしれない。
さらに広告では「先輩たち」の声が紹介されている。彼らは「TOEICテストで120点上がりました」と喜んでいる。ちなみに八人の先輩たちは、みな匿名である。
ここでふと思う。
「この広告を誇大広告だと思わずに読む人っているの?」
いや、いるんだろう。先輩たちのコメントを、一人が書き分けていないことを祈る。
2004年03月07日(日)
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