思い出に変わるまで
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2004年06月20日(日) 両親に挨拶(つづき)プロポーズ

大阪市に入って昼食を取った頃、私は彼に聞くタイミングを図ってた。
「私の事どういう感じに両親に話してるの?」って。
彼女として紹介してくれるのか、婚約者として紹介してくれるのか。って事。
あまり日頃から実家に連絡を入れていない事は聞いてたし、長男ひとりっ子だからなのか「親子関係」ってかなりドライな印象を受けていた。
きっと細かい説明はしていないかも?なんて思ったり、結婚考えてるくらいだから説明はしてあるだろうとか。両親にキチンと紹介してくれる事期待していたのに、現実はぜんぜん違った。

集合住宅地のマンション、7階にある彼の実家。
後ろからついて行った。
玄関のドア開くなり一人でずんずん上がって和室でテレビを見ていたお父さんに
「これ彼女からの土産」って渡し、一人玄関で立ってた私を振り向きリビングに通してくれた。
彼の母親に
「こんにちは、初めまして」
って挨拶をした途端彼は
「保険証書持って行きたいんだよね」
って言葉を残して別の部屋に行ってしまった。

残されたのは私とお母さん・・・。
慌てて土産の和菓子を差し出して場をつなぐ。
何を話していいのかも分からず、ただ差し出された冷茶を頂くけど、会話がナイ・・・・・。
何とかして会話をしなきゃ、って思うけど初対面だし、何を話したらいいのかも分からない。

どうしてさとしクンは私を紹介してくれないの?
どうしてお母さんとイキナリ二人きりにするの?

お母さんは書類を捜すさとしクンの部屋に向かうし、お父さんはどこかに出かけた様子(後で聞いたら仕事に行ったらしい)
一人リビングで取り残された私はどうしたらいいのか分からずに付いていたテレビを見るしかなかった。

しばらくしてお母さんが戻り、書類を手に持ったさとしクンもリビングに来てそっけない親子の会話。
全く私が入るスキ無し。
ぶっきらぼうに返事だけする息子に呆れて嘆くような母親の口調。
本当、会話になってないくらいそっけない。
新聞を読み始めたさとしクンを見て

どうして私ここに居るんだろ・・・。
私に気を使って振る会話すらない。

なんて思い始めて寂しくなった。

彼が少し席を外した時にお母さんと少し話した。
私を連れてくるって聞いたのも2日前くらい。
ただ、「彼女連れて行くから家に絶対居てくれ」ってだけ。
あの子は必要な事だけしか言わないし、聞けばうるさがる。
仕事の事も何も話さないからどんな生活しているのかも分からないって。
でも周りに聞けば男の子ってそんな感じだから、って諦めてるって。

1時間くらい立ち寄った程度で彼の実家を後にした。

少し観光をして、泊まるホテルに着いた時には気分はダークブルー。
シャワーで汗を流して彼に抱かれても不安は大きくなるばかり。

どうして転職先の社長さんには私の事話せれて両親には話せないの?
結婚相手として紹介してもらえなかった事が悲しくて寂しかった。

彼の案内で美味しい居酒屋に連れて行ってもらい、お酒飲んで、酔っ払った勢いで
私の何が良くて付き合おうと思った?
いつ結婚意識した?
聞いても、聞いてもはぐらかして言わない彼。
彼の口からハッキリとした言葉をもらったのは
酔った勢いでHした後の次の週
付き合うきっかけになった
「結婚前提で付き合おう」
って言葉だけ。
「好き」って言葉すら言われてない。

ホテルに戻った時には笑顔もこわばってた。

シャワーを軽く浴びてあとは寝るだけの状態の時、何気ない会話の時に冗談半分で言った「新婚旅行で海外は行かない」って言葉で見事に私の不安があふれ出した。
「もう寝る」って言ってもぐりこむ様ベッドに入り、彼に背を向けた状態で涙こらえた途端、様子がおかしい事に気付いた彼が上から覆いかぶさって来た。
言葉出せば涙溢れるし、顔上げれば自分が抑えられなくなるの分かってたから避けたけど彼が逃がしてくれなかった。

枕に顔を押し付けたまま、自分の気持ち涙声で話した。

大阪に行こうって言ってくれた時うれしかった事。
両親にキチンと紹介してくれると思ったのにしてくれなくて悲しかった事。
お母さんと二人っきりにされて悲しかった事。
結婚の事すら言ってなかったのが辛かった事。
さとしクンにとって私は何?
どうして、何の為に大阪に連れてきたの?
本当に私の事好きなの?
別に私じゃなくて良かったんじゃない?
自分の気持ち私に言ってくれた事あった?
ナイよね?
いつも私が「好き」って言った後オウムが返す様に「好き〜」って冗談みたいに言うだけじゃない。
どうして最初から結婚前提で付き合ってくれなんて言えたの?
付き合ってから結婚意識するのが普通じゃない?
私は最初から結婚なんて意識できなかったよ。
まだ付き合って3ケ月だよ?
結婚するの嫌って訳じゃないけど、さとしクンに愛されてる自信が無い。

もう最後あたりは泣きじゃくってきちんと言葉になっていなかった。

しばらく黙って聞いてた彼。
私の勢いが少し落ちた時に言葉の足りなさに本当にゴメンって謝った。
自分でも気持ちを一度も口に出していないとは思っていなかったらしく、私がそこまで不安に思ってる事すら気づいていなかった。

落ち着いて話が出来るようになったとき抱き寄せられ
「ずっと一緒にいてください、俺じゃダメですか?」
真剣な顔でプロポーズしてくれました。
今更、指摘されて言う事に有り難さ半減だけど
ずっと欲しくて欲しくてたまらなかった言葉。
「その言葉だけ聞きたかった・・・」
声が震えて最後まで言えなかったけど、ずっと彼の胸で泣いてた。

ここまでしなきゃ自分の気持ちに自信が持てない自分が情けないけど
生まれ育った街を出て知らない街に移る事。
仕事も辞め、環境を180°変えて向かう新しい生活に不安が無いなんて嘘になる。
本音言えばこの土地を離れたくない。
だけど
この先の人生を共に歩いてくれる人と出会えて、不安も喜びも二人で分かちあえるのであれば、
不安も喜びに変える事の出来る人であるのなら
この人と共に歩いて行こうと思う。

この日の夜の事
きっと一生忘れる事ないように
心に
この場所に
残しておきたいって思った。


mamirin |MAIL

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