今日は脳味噌が遠い世界へ脱走しているようだ。 私(本体)を置いて勝手に脱走するなんてズルイ。私も遠い世界に脱走したい!
逃避について少しだけ考えた。
何かから逃避する、というのは、程度は色々だが誰にでもある事だろう。 例えば重要な試験の最中に解らない問題ばかりが出たとき、「ああ頼むから誰か、これは夢だと言って下さい」などと考えるのも一種の逃避だと思うし、深刻な精神的外傷を受けた時にその事を無意識に思考からシャットダウンするのも勿論一種の逃避だろう。
ヒトの場合、これらはみんな脳の働きで制御されている。 ストレスを感じた時、脳と身体は「ストレスが存在するバージョン」にホルモンバランスを調整する。まあ高校の生物用語で言うと「交感神経作用の亢進」「アドレナリン分泌量の増加」。 でもその緊張が過負荷であると判断されるレベルに達したとき、何故かいきなりフィードバック作用が起こって「ストレス緩和バージョン」にバランスが再調整される。といってもストレス源である現実は変わらないから、仮想現実を脳内に構築する。「こうだったらいいのに」とか「こっこんなはずでは・・・」とかね。 このような仮想現実を作り出し意識内に投影する事によって、神経の緊張が緩和される。高校の生物用語で言うと「副交感神経作用の亢進」「アセチルコリン分泌量の増加」。(・・・あれ?今はノルアドレナリンって教えられるんだっけ??) これが逃避作用ですな。
人間って不思議なもので、何故フィードバックで仮想現実を作ろう、と脳が判断するのかとか、仮想現実が現実ではない、と判っているのに何故神経の緊張が緩和されるんだ、とか、ホントいくら追及してもどんどん謎が出てきて面白い。 いやまあそれはいいんだけど。
つまり脳味噌だけはすぐに遠い世界へ脱出できるけど、そのとき本体様は置いてきぼりだってこと。脳の防衛本能は、本体すらも蔑ろにするほどに強烈だ、ってことね。 ・・・ちょっとそれって本末転倒って言わない?身体と脳は別物な訳?本体様は脳の従属物?
じゃあ美味しいものなんて食べなくても、仮想現実で食べればいいじゃない。何処かに旅行なんてしなくても、仮想現実で行けばいいでしょう?(いまどこかに行っちゃってるみたいにね。ふーんだ)
現実の美味しいものを食べる時や何処か旅行に行く時はこんな薄情な脳味噌、絶対置いていってやる(決意)。
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