みょうの日記
DiaryINDEXpastwill


2002年03月05日(火) 昨日の朝

ゴンを焼いてきた。時間的にちょうど丸一日経った頃。
そういえば、明日はちょうどゴンに命の期限が切られて一週間だ。

朝は曇っていたけれど日も差していた。焼き場までは入れ物にいれず、私がバスタオルに包んで抱いていった。
マンションを出たところで、ガチャがゴンの見送りに来てくれた。側まで来て、小さく挨拶をし・・・。ガチャは晩年ゴンが唯一自分から近づけた子だった。
鼻チューを2,3度しただろうか。

ゴンは死んでから一日中、両手足を思い切り伸ばして横たわっていたはずなのに、車に乗って抱いているうちにだんだん手足を曲げていき、焼き場につく頃には箱にぴったり収まるように手足を縮めていた。本当に最期まで気を使う奴だ。

焼き場の重い扉の向こうに姿が消えていく最期の瞬間まで、ゴンは私の顔をじっと見続けていた。私もゴンを見続けていた。扉が閉まって「ゴォッ」という音が聞こえた瞬間、涙が止まらなくなった。
ゴンが焼ける。焼けてしまう。
でも、どうすることもできなかった。可愛いゴンの重みは、永遠に失われてしまった。可愛い耳も目も鼻も口も・・・可愛い尻尾も何もかも。
ゴンはもうどこにもいなくなってしまった。
待合室で私は声をあげて泣いてしまった。
辛い・・・というよりキツイ。キツイというより痛い。
ゴンがいなくなって痛い。息もつけない。ただ痛い。

ぜんぶが終わって、骨になって戻ってきたゴンを見てまた泣いた。

焼き場の方が骨の説明をしてくれた。
「これとこれとこれが尻尾ですよ。この子は尻尾が短かったんですね」
「これは大たい骨、こっちは第二頚椎、骨盤、これは足です」
「この子の骨はずいぶんしっかりしてますね。あんまりみないですよ、こんなに残ってる子は」
そして、
「これが喉仏。ああ、ずいぶん綺麗に残ってますね。ここが仏様の頭、こうして手を合わせているように見えるでしょ? 人も猫も一緒ですね」
喉仏が綺麗に残っているという事は、ゴンはやっぱり猫の神様にいい子の認定を受けたのだろう。少し安堵の涙が流れた。
焼き場の方は最後にもう一度
「とてもしっかりした骨の子でしたね」
と言った。
だから私も言った。
「性格もしっかりしてたんです」

四角い箱の中に収められたゴンを胸に抱いて、私たち家族は泣きながら帰路についた。

マンションに着くと、ガチャがまた出迎えてくれた。


みょう |HomePage

My追加