闇鍋雑記帳
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1970年07月07日(火)

09.11

どんなに辛く苦しい夜を迎えても、次の朝は必ずやってきます。
わたくしもそうでした。
子供と一緒にいられたら、どんなに良かったか。
後悔もしましたが、そんなことをしたら、何をしでかすか分かりません。
自分が怖いのです。

自己に棲む魔物の恐怖に打ち勝つには、無理矢理にでも断ち切るしか無いのです。
悲しいけれど、事実は事実として受け入れて行かなくてはなりません。
そんな朝を、初めて迎えました。

いつも通り時間は動いていきます。
人もいつも通り。
お腹も空くし、お手洗いにも行きたいし、お茶も飲みたいし、何もかもいつも通りなのです。

ただ一つ違うことは、もう、わたくしのお腹の中には赤ちゃんがいないこと。

それだけが違うんです。

赤ちゃんのお焚き上げは、12日の土曜午前に決まりました。
葬儀を行うわけでは無く、斎場に行き、そのまま焼いて貰うのです。
だから、もう二度と会えません。
わたくしは、自分が行くと、赤ちゃんを奪って来かねないのと、プニ坊を一人で置いておくわけには行きませんので、家に残ることになりました。

退院してすぐ、夫にお願いして、以前に2体作ったペネロペのミニ縫いぐるみのうち1体を、一緒に入れて貰えるように頼んで貰いました。
幸い、それはすぐに了承されたので、夫が持って行ってくれました。
一人で黄泉に行くあの子に、何か手作りのものを入れてやりたかったのです。
一緒に荼毘に付してやれば、あちらで遊んでくれる事でしょう。

家に戻って、ふつうの生活をしていますが、やっぱり体が追い付かずに、目眩がしてしまいました。
少し休みたいなと思いながら、寝たり起きたり。
お風呂の準備をしたり、食事を作ったり、洗濯物をしたり。
普段何気なくしている事って、こんなに大変だったのかと思うくらいです。
疲れているはずなのに、全然寝られません。
そんなものなのかもしれません。

夜になると、何だか涙が止めどなく流れてきてしまって、駄目なのです。
夜が怖いんです。
寝るのが怖い。
寝なくてはいけないのに、全然寝られないのです。


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