月の輪通信 日々の想い
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2003年05月14日(水) 中間試験だ!

オニイ、明日、明後日と中間試験。

塾の経験もなく、試験勉強や問題集ともほとんど縁のなかったオニイの初体験だ。

小学校でのオニイの成績は、中の上。

宿題を提出するのがぎりぎりいっぱい。

とりあえず学校の授業だけの勉強で、その成績を保ってきている。

「中学へ行ったら、そうはいかんよ。

塾に行ってる子達は試験勉強の仕方もよく知ってるし、覚えなくてはいけないことも山ほどある
よ。」

以前から少しづつ脅しをかけてはあるが、実際の所、一回自分で痛い目をしないと、危機感は
沸いてこないだろうと放ってある。



世間の新中学生のお母さん達の動向を観察する。

「全然勉強してないよ!」

と嘆く人。

「最初の試験ぐらいは、一緒に準備してやらないと。」

と気合いの入ってる人。

「ぜ〜んぶ塾任せ」

と余裕の人。

この辺からそろそろ競争は始まっていくのだなぁと感心して眺めている。



「最初の試験だからちょっと面倒みてあげようか?」

珍しく親切な母の申し出に、オニイも「お願いします。」と頭を下げる。

明日の試験は英語、国語、技術家庭。

「問題は英語やなぁ。」

見ていると、「自信アリ」と言っていたアルファベットすらbとdをしょっちゅう間違える。

「単語カード」と言うものの存在すら、知らない。

「ありゃりゃ、これはたいへんだぞ!」

内心「やっぱりな」と思いつつ、オニイにプレッシャーをかける。

はじめての試験に、高をくくっていたオニイに少しづつ、焦りの色が見えてきた。



「せめて単語くらいは完璧にしておくように。」

オニイに言い渡して、非情な母はさっさと寝てしまう。それからオニイはどうしたのか。勉強して
いたかどうかは別として、とりあえず遅くまで起きては居たようだ。

「ちょっと可哀想やったかなぁ」

夜中に起き出してきた父さんが、いう。

今まで、さして努力もしたことないのに、自分は勉強がそこそこ出来ると思っているオニイ。

明日の試験でぺしゃんこになりそうな気配は明らか。

「いいの、いいの。計画通りよ。」

私はあくまで意地悪い。



今回の試験で思いっきり失敗したら、オニイの学習態度は大きく変わるだろう。

塾も通信教育も、経験ない。

それでも自分で学習のやり方を模索して、失敗を取り戻そうとする集中力とプライドは、持ち合
わせているはずだ。

小学校の頃から、計算ドリルの一つも見てやったことはないが、「アンタは努力すれば何でもで
きるんだよ。」というプラス暗示だけは、いっぱいかけてきた。

最初のぺしゃんこで、つぶれてしまわずに、リベンジに燃える闘志は期待してもいいはずだ。



「40点がかえってくるかな、50点がかえってくるかな。」

母の意地悪はまだまだ続く。

がんばれ、オニイ。

思いっきり、へこんでこい。

中間試験が終わったら、二人で本屋へ問題集や参考書を見に行こう。

そういえば、そんな物の存在すら、オニイは知っているんだろうか。






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