月の輪通信 日々の想い
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2003年05月31日(土) キコンカイな一日

「さあ、今日は何しようか?」

久しぶりに誰も予定の入っていない休日。

ざわざわと台風の名残の風が、山の木々を揺らしています。

ちょっとお寝坊したので、これから外出するのも面倒だし、お天気も、まだちょっと頼りない。

「ま、キコンカイな一日と言うことで・・・」

父さんがのんびりとコーヒーを入れた。



「キコンカイ」

一年に一回か二回、父さんがぽろっと漏らす不思議な言葉。

「どんな漢字、書くのよ?」

「さぁ・・・。キコンカイじゃない?」

「カタカナなの?」

「ようわからん。」

「方言?」

「さぁ・・・。ひいばあちゃんとかは時々使うよ。」

「で、どういう意味?」

「のんびりと、これといったことなく、たらたらと・・・・」

「ふ〜ん」



「大過なく、無事にすごす」というような意味合いらしいのだが、どうもすっきり心に落ちない。

響きは熟語っぽいのに、漢字が全く思い浮かばないのも気持ちが悪い。

「気根(魂?)快」かな?

鐘が鳴ります、キンコンカン〜♪みたいで、さっぱり気持ちの良い響きだけれど、「〜怪」という
字をあてると、なんだか不可解。

「キコンカイな一日」といわれて、はて、今日の日をどう過ごそうかと、考え込んでしまった。



子ども達はPCのゲームを楽しみ、父さん母さんは本を読んだり、やりかけの内職仕事を片づ
けたり・・・

お昼は子供らの作ったホットプレート焼きそば。

夕方からビデオを借りにいって、ちょっとだけ手の込んだ晩ご飯を食べる。

本当に「大過なく」すぎていく平和な休日。

当たり前のようで、ここ数週間、忙しく走り回っていた我が家にとっては貴重なのんびり休日だ
った。



「キコンカイ」

父さんがこの言葉を漏らすのは本当に年に一、二回。

実際、我が家の休日は子供らの剣道やおでかけ、父さんの仕事や陶芸教室でなかなか揃って
「おうちでタラタラ」にはならない。

「な〜んもせんかったなぁ。」

そんな日もいい。

「キコンカイ」にいこう。


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