月の輪通信 日々の想い
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梅雨の朝。
ばたばたと玄関を飛び出していく子どもらが聞く。
「おかあ〜さ〜ん、今日、雨、ふる〜?」
「傘、持っていった方がいい?」
帰り道、濡れて帰るのは嫌だが、何とかお天気が持ちこたえたら、じゃまっけな傘をぶら下げ て帰るのも億劫だ。
「ね〜え、おかあさ〜ん!」
愛するこどもたちよ。
出来ることなら、君たちが冷たい雨に濡れることなく、平穏な日々が送れるように育ててやりた い。
急な雨に降り込められたら、傘くらい届けてあげてもいい。
だが、子ども達よ。
一寸先の道も読めぬこんなご時世だ。
母には、君たちに訪れるかもしれない幾多の困難の全てを予測して取り払ってやることは出来 そうにない。
それどころか、降り出した雨に一緒に濡れて、冷たさを共有してやることすら出来ないだろう。
だから子ども達よ。
頭を上げ、自らの目で、天空を見よ。
そして、まだ見ぬ危機に、自らの力で備えるがいい。
・・・・て、傘が必要かどうかなんて、自分で考えな。
おかあさんは、気象予報士じゃないんだから。
毎朝、毎朝、おんなじ事聞くなぃ
で、おとうさ〜ん、今日、洗濯、干したまま出掛けても大丈夫かしらん?
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