月の輪通信 日々の想い
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2003年08月26日(火) ひと夏のアプコ

夏休み宿題やっつけ週間でございます。

「夏休みの宿題は、最後の一週間にやるべし。」

吉向家の家訓でございます。

ところがさすがに、中学生になったオニイの宿題は手強かった。レポートだの、自由研究だの
やっつけ仕事では間に合わない課題が一杯。

参りました。母もくたびれております。



「オカアチャン、歯、とれた。」

アプコがおばあちゃんちから、飛んで帰ってきた。

この間からぐらぐらしていた下の前歯。

昨夜は眠ってる間に飲み込んでしまわないかと、ヒヤヒヤしたのだけれど、ようやく今日抜け落
ちたようだ。

「西瓜、食べてたら、とれちゃったん。」

小さな小さなかわいい歯。



この夏、アプコは2本も乳歯が抜けた。

3才の頃の怪我で、アプコは上の前歯が1本足りない。そこへきて、2本も一時に下の歯が抜
け落ちたものだから、アプコの前歯は隙間だらけ。ちらちら舌を出してみたりするのがおもしろ
くて、笑いが絶えない。

下の歯が抜け落ちたあとには、もう大きな大人の歯がアタマを覗かせている。

「わぁ、たのしみだな。アプコの大人の歯。早く生えてこないかな。」

アプコは鏡をのぞき込んだり、指で押さえてみたり、なんとか大人の歯を確認しようとするがな
かなかうまくいかない。

「おとなの歯って、どこにあるの。」

それはね、赤ちゃんの時から君の体の中にしまってあったの。



アプコの夏休みの唯一の宿題。

「なつの思い出をかきましょう。」

B4の用紙に、夏休みの楽しかったことの絵を描いていく。

去年も今年も、アプコは須磨の海で泳いだ事を色鉛筆で描いた。家族の一人一人の服装や髪
型まで細かく描き分けて、丁寧に色を塗る。

去年なら、絵の隅っこに先生むけの解説をちょこちょこ書き込んで提出した宿題も、今年はア
プコの絵だけで充分楽しい海水浴の雰囲気が伝わるはずだ。

幼児の絵は一年でこんなにも成長する。



久しぶりの登園日。

バス停に向かう下り坂を今日はアユコも一緒に送っていく。

ウォーキングをかねて、早足でガンガン歩いていく私の歩調に合わせて、アプコの小さな足が
コマネズミのようにクルクル動く。

「おかあさん、アプコに万歩計つけたら、すごくたくさん動きそう。」

アユコが言うので、私の万歩計をアプコの体操パンツにつけてみる。

アプコの歩数は1900歩あまり。

普段私が1200〜1300歩で歩く距離だ。

1,5倍も早く回転してるんだなぁ、アプコの16cmの足は・・・。



お風呂に入るアプコのお尻にはくっきりとV字の日焼けのあと。

ひと夏の間アプコが気に入って愛用していた水着は誰かのお古で、ちょっとTバック気味。

なんだかちょっとエッチで、かわいい。



「オカアチャン、お星さん、みえるよ!」

6万年ぶりの火星大接近。

赤く輝く火星は、幼いアプコにもすぐに判る。

6万年という雄大な時間の中の、アプコのひと夏。

今夜はもう、秋の虫の声が聞こえた。




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