『今日の一言』
因幡うたぎ



 水曜日といえば・・・?そして、イクスピアリといえば・・・?

−−−貧乏暮らしで、財布の紐が完璧堅くなっている我輩だが、今日はそうも言っていられない。何と言っても、水曜日なのである。水曜日といえば……レディースデイ!そして、話題の映画が現在上映中なのである。−−−そこに、どんな必然性があるのか?と言われれば、「ない」けれど「ある」なのである。−−−それなりに屈折した我輩の思考と行動の連鎖的必然により、本日は映画の日とあいなった。
いつもなら1人で行くのだが、今日は暇そうにしていた(我輩にだけは言われたくないだろう/苦笑)ママ上にも声をかけてのお出かけである。映画館は、いつものイクスピアリAMC16。あの素晴らしいシートになれてしまうと、他に行く気にならないのだね。(他の目的がない…とは言わない/邪笑)−−−さて、我輩がこれほどの前振りをして、何を見に行ったのか…といえば、現在下火になったハリーポッターよりも話題沸騰の映画、「ロード・オブ・ザ・リング」である。
トールキン氏のカルトでディープな世界設計に基づく、オトナの為のファンタジー…これが、この作品に対する、我輩の認識である。−−−1年1作公開の3部作、その第1作…既にすべて撮影は終わっているという話なのに、1年に1回とは焦らすなぁ(苦笑)なんて、思いつつ、ほぼ満席の映画館で、その映画を見ることになった。−−−さり気なく、予期せぬ顔見知りとの邂逅などで、「あれ?」「おや?」というシーンもあったが、とりあえず、ドキドキしながら上映開始を待つ我輩。−−−隣りの席には…イチャイチャ・カップル(ツイてない…/苦笑)周囲を見まわせば、やはりカップル多し。−−−流石話題作(笑)カップルは話題に敏感である。…っていうか、デートの定番か?−−−やっかみ半分で、待つこと暫し。映画館が暗くなり、スクリーンには光が灯る。−−そして、上映が始った。

▼さて。この先は、ネタバレになるので、「まだ見てないから、知りたくない」という人には、お勧めしない。

結果だけを言えば、非常に面白かった!っていうか、「スゲー!」の一言である。バカはバカだし、お約束パターンが目白押しだし、先読めちゃうって言う感じだし…なのに、その映像の文句なしの迫力に、我輩魂奪われっぱなしだったのだ。−−−内容を簡単に説明すれば、世界を破滅させる力をもった指輪をひょんな事から手にしたホビット族の若者が、指輪を取り戻そうとする冥王の魔の手をかいくぐり、仲間と共に指輪を消滅させる旅に出かける…という話だ。三部作第1巻分の今回の映画は、指輪が少年の手に渡り、そして、冥王の追っ手から逃げ、妖精の谷に辿り着き、指輪の処置に悩んだ末、結局これは、指輪が造られた山の火口(それも敵の本拠地のど真ん中にあるのだ)へ捨てるしかない…それしか消滅させる方法はない…という事になって、9人の仲間と共に冥王の本拠地にある火山へと向かって旅だったが……途中、様々な危険な目にあい、1人死に、2人死に……指輪の魔力で仲間の間の結束が揺らぐサマをみた少年は、指輪をもってここから先は1人で敵地に赴き…火口へと指輪を投げこもうと決意する。敵に襲われ、そのドサクサに仲間と離れた彼は敵地を目指し…そしてとうとう眼前に敵の本拠地のある大地が広るところまでやってきたのだった−−−と言う所で終わっている。「ここで、終わりなんかい!!」と思わずスタッフロールに突っ込みをいれる位には、我輩映画の世界に引き込まれていた。−−−泣けるんだ。めちゃめちゃ。サイコーに感動するんだ。根幹から揺さぶられる感じである。トールキン!アンタは凄いよ!………っていうか、この映画作った監督もスタッフもブラボーっていうか、このマニアな仕事ぶりは、脱帽だぁ!!!突っ込む所がない!本当に、素晴らしい映像。すばらしい構成、素晴らしい脚本!素晴らしいCG技術!!そして、パンフレットは分厚い!(5mmはある!/仰天)−−−キャラクターの殆どが青い目なのだが、その青さがアップになるたび、魂吸われるかと思ったさ!(段々ずれてきたぞ/苦笑)−−−とにかく、ロード・オブ・ザ・リングは凄い!ハリーポッターの映画もこれくらい凄かったら……!!!(←比較したら、それほどとも思っていなかった、ハリーの映画の出来も、お粗末に思えてくるほどなのだ)−−−本格ファンタジーの完全映像化が叶う日がこようとは!現在のCG&映像技術に感謝!である。−−−映像の芸術作品…まさに、ザッツ・ライト!な感じだな。うん。原作は読んでいないが、原作より燃えちゃうかもね!我輩は!!(←根拠のない断言だな/苦笑)−−−ちなみに、ハリーはこの映画を見た後では、完全に「原作の方が断然良い」という意見に鞍替えしなければなるまい。面白いシーンの数々が減らされている脚本では、今回のロード・オブ・ザ・リングには到底叶わないぞ!映画の出来!(かなり支離滅裂)−−−とにかく、興奮のままに書きなぐっているので、おかしな文章であるのは、お許し願おう!−−−ただ1つ、残念であるのは……ひたすら思い入れをするに足るキャラクターが、主要人物の中に一人もいない…という事である。これは、つまりキャラゲー・チックな要素がなく(※キャラゲー・チックな要素=話自体は大した事ないのに、魅力的なキャラクターに惹きつけられて全部を良いと判断する要素の意)、全体のストーリーの出来が良いということではないかと思う。−−−ああ、続きが気になる。どうなるんだ!−−−ということで、映画館を後にした我輩は、毎度恒例のイクスピアリの地ビール(エクストラ・エールだったかな?バレンタイン・スタウトより苦くなかったけれど、かすかにビターチョコフレーバーで、真っ黒なビールである……美味いvv……が、ホワイトデーまで…かな??)を飲んで…家路についたのだった。

そして、発熱。非常に気分が悪い。っていうか、久しぶりに具合が悪いぞ!−−なら、日記書かずに寝れば良いのに…という突っ込みを入れつつ、興奮状態の今日の我輩。(映画感動のあまりの知恵熱?/←子供か!)

■今日は何の日?■

 3/13は・・・ 1132年◆三十三間堂、できる
          1578年◆上杉謙信、没
          1781年◆天王星、発見
          1874年◆東京に官立の女子師範学校、設立
          1930年◆冥王星、発見
          1933年◆救急車、初登場
          1957年◆チャタレイ裁判、判決
          1960年◆東京都で、初のスピード違反取締
          1988年◆青函トンネル、開通

−−−上杉謙信の死んだ日らしい。実は、我輩一時期この人に嵌っていた事がある。理由は、まぁ乙女回路の賜物なのだが(一部の腐女子に大人気のコバルト小説と、某サークルが書いていた信玄×謙信の小説が発端である/自爆)……そして、見事我輩の心をキャッチザハートした上杉謙信像は……海音寺潮五郎の「天と地と」に出てくる上杉謙信氏であった。随分前にこれは映画化されているが…映画ではなく、小説をぜひ読んでいただきたい!謙信の幼少時から長じてより延々と続く心の葛藤を見事に描いている。なんてったって、この謙信、ホントに良く悩む!悩んでいない時の方が少ない位だ!そして恋に悩んでみたり、なにかあるとすぐ「出家」して出奔する……愛すべきキャラクターなのである。戦争という争いを嫌い…だが、戦場においては、誰よりも戦上手であり、誰よりも見事な戦略を考え付く……戦略を考えるのは好きだが、戦争は嫌い……なんて、困った性分である。偉大な戦国武将として知られる彼が、この小説を読むと非常に愛しく思えてくるのだ。古い小説であるのに、とても新しい感じがする。他の上杉謙信を扱った小説は知らないが、我輩はこの「天と地と」を上杉謙信の人物像を考える上で、心のバイブルとしている。女性にかんしては全く野暮天で全くその手の話はないけれど、酒は好きだったらしい…とか(苦笑)死んだ時も、花見酒かなんかしていて、トイレに立った途中でなくなったとか…酒の害では?とか突っ込み入れたくなるような突然の死であったらしい。(史実でそうなのかは、定かではない)−−−上杉謙信。越後の虎に、もう一度逢う為に、また小説読み返してみようかな?

2002年03月13日(水)
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