『今日の一言』
因幡うたぎ



 またしても、平日に休みをとって映画デーにする我輩

世の中の勤労精神旺盛な人々に、怒りの鉄拳を即座に打ちこまれそうな、先週今週の我輩の勤務日程(苦笑)−−自分の担当の社員が全員居ないので、休みをもらって(仕事も社員サンからもらうので、居ないと暇なのである)無料チケットで映画を見に行ったりしてみた。
場所は、東京ディズニーランドの最寄駅「舞浜」にあるイクスピアリのAMC16である。わざわざ交通費を600円近くかけて行く我輩…バカかもしれない。と自分的突っ込み満載なのだが、まぁ我輩、あそこが大好きなのである。交通費掛かっても行きたい位には!←開き直ってるし(笑)
先週に引き続き映画鑑賞…ということで、今日は北野武監督作品「Dolls」を見に行った。前評判はそれなりによさげなのだが、我輩よく考えると、北野作品って他のを見たことがあっただろうか?……なかったような気がする。−−そして、まぁ、午後一番の上映時間に間に合うように自宅を後にした我輩は、激空きの劇場&スクリーンでその作品を鑑賞したのである。(ちなみに、アメリカンスタイルなので、ポップコーンや飲み物を販売しているし、中で食べる事も出来るが、我輩はポリポリ、ガサガサと上映中に音がするが大嫌いなので、自分ではしない。自分以外の人間が近くでやってると、マジメに後ろからケリ入れたくなるですよ。ホホホ←ブラック/ついでに、トイレに行きたくなるので、飲み物も飲まないのだね)
★ここから先はネタバレ…というか、これから見に行こうと言う人は、読まないほうが良いと思う。



さて、上映開始…いきなり文楽。人形の動きにウットリと魅入る。文楽モチーフを使う…というのは、前評判で聞いていたので、初っ端から出て来ても全く同じなかったが、まぁなにやら色々とアングルとかカットとかコマ割みたいなものを工夫しているなぁとかは思った。(ああ、カメラワークか。)
基本ストーリーは3組のカップルの愛の物語…と言う事だが、いきなり自殺未遂で頭パーになった女と自殺するまで追い詰めてしまった恋人の男が、二人で放浪する…というのが1つ、ヤクザの親分が昔別れた恋人との約束を思い出し、其の約束の場所へ行ったら、未だに約束の時に待っている恋人の姿を見つけて…というのが1つ、アイドルの熱烈な追っかけが、アイドルの事故による引退を切っ掛けに視力を失い、顔に傷を負ったアイドルの元を訪れ次第に親交を深めて行く…というのが1つ……それらが時折クロスロードするのだが、そこに意味を見出す事は余りできない。…というか、演出的にクロスしてそれぞれの道がたまにすれ違い、同じ進行的にクロスオーバーしたりして話が続いて行くのだが……最初の一組はただひたすら二人で放浪して、言葉も喋らず、ヤクザの親分の昔の恋の約束はなんだか、言い感じなのだが、なんだか途中から先が見えてきて…最後のアイドルのは、なんだか良い感じ?でも、あの追っかけ男……怖いぞ。うん。っていうか、すごい人生かけてるなぁ…とか思いつつ、物語を見ていき……最終的に……我輩は、このストーリーのあまりの救いのなさに愕然とする羽目に陥ったのである。
−−−−はっきり言おう。
ドラマティックであれば、悲恋であろうと、なんであろうと納得出来るものである。「ムーランルージュ」とか、あの最後恋人に死なれてアンハッピーエンドながらも、愛を抱きつつ男は生きて行く…みたいなラストは、まぁ許せるのである。泣けたけどな。
しかし。しかし。
この「Dolls」のラストは頂けない。というか、いやである。
唐突なラストなのだが、それがいや…とか、そういうのも若干あるけれども、だがしかし!皆、恋の主人公…ヤクザの親分の恋ならヤクザの親分が、アイドルの追っかけの恋ならアイドルの追っかけが、唐突に死ぬのである。−−−それも、避けられ無い運命の悪戯…という印象皆無なのだ。(まぁヤクザの親分のラストはなんとなく読めていたが、現代のヤクザ社会で鉄砲玉と言う存在があるのかどうか、甚だ疑問だったりするし、護衛のおつきの人が、「待っていろ」と言われたからって、親分を守れない距離でのうのうとボンヤリ待っているというのは、なんだか「おかしいだろ!それ!?」と思ったりするのであるが、そこら変の「おかしい」と思ってしまうこと、脈絡のない「死」という結末を迎えたアイドルの追っかけのラストとか、なんだかもう、「なんじゃこりゃ!?」な話の展開なのである)
最初から出ずっぱりの頭壊れた女と壊した男の二人ずれは、なんだか何故雪山に分け入る必要があったのか?とか緩慢な自殺なのか?美しく凍死をえらんだのかしら〜?とかまぁ有る程度好意的に考えられなくもないのだが、彼らの歩く道に意味はなく、そして、彼らのラスト…いきなり追いたてられて山道をドンドン進み、足踏み外して、崖の途中で木に引っかかった状態でラストを向える(どう頑張っても彼らは助からない状態なのである)「風葬?」とか思ったりして……まさに、我輩「なんじゃこりゃ!?」と心の内で裏手拳突っ込みをいれてみたりした。
つまり、何が言いたいのか…といえば、我輩にとってコノ映画は何の感銘も与えない…いや受けたといえば虚しいとか虚無感とかだけが仄かに全身を満たす…そんな映画であった。はっきり言おう。我輩にとっては、詰らなかった。←言いきったな。北野作品の魅力を解さない朴念仁であると考えていただいて結構だ。
我輩は、現代芸術作品とかも、好きではないのである。美しいと思わないのだ。
北野作品の「Dolls」の中に美しさやストーリーの感銘や共感を受ける事もなく、鑑賞後の余韻もない…タダでよかった。好みの問題である…というのは、多分に言える感想であるが、まぁ大なり小なり同個性、同感性を持つ人は居るのではないかな…とか思ったりするのだが……いかかだろうか?
さて、映画を見終わったら、遅い昼食である。月見うどんとお握り、そして舞浜と言えば地ビールである。1階のフードコートへ降りてゆき、我輩は秋のシーズンビールである「フェストエール」を飲んだ。これは、非常にフルーティーで香りの高いエールビールなのだが、9月に一度飲んだ時は、今1つ…という感想を持ったものである。しかし、今回飲んだら、それなりに美味しかった。フルーティーでありながら、そこはかとなくキリリとしまり、爽やかな後味を口中に残す…そんなビールである。最近は通年で「アプリコットエール」というアプリコットの味がする甘いビールも売られているのだが、どちらが良いか…と問われれば、フェストエールのほうがお勧めである…と我輩は答える。……昼間っからビール飲むことに抵抗なくなったオヤジな自分に乾杯!である←これ、かなり問題ありかもしれない(苦笑)
電車の時間まで時間つぶしのつもりで、ラッピングのお店へゆくと、コーヒーカウンターが縮小され、惣菜とか簡単な弁当類、ケーキやタルトの並ぶケースが増えていた。そこを何気なく覗き込み…そして、飲み物のケースを覗いた我輩は、そこに見なれぬ地ビールの銘柄を見つけて動きを止めた。いや、舞浜で作られているハーベストムーンの期間限定醸造であることは、フェストエールと同じなのだが、その名は「パンプキン・エール」……ハロウィンか!ハロウィンだからか!!そして、お約束のかぼちゃなのか!……と我輩速攻でゲット(笑)−−自宅で飲んだ限りでは、それほど「カボチャ!!」と言う味はしなかった。というより、「かぼちゃ?」と言う感じである。疑問系でる(苦笑)−−しかし、美味しかった。ああ、我輩、結局ビール好き?というより、飲んだくれ?そして、新作が出るたび飲まずに居られない我輩……ああ、自業自得とはいえ、懐が淋しい今日の我輩。

■今日は何の日?■

ピアノの詩人・ショパン没(1849年)
学習院開設(1877年)
スエズ戦争勃発(1951年)
川端康成、ノーベル文学賞受賞(1968年)


=記念日=
●貯蓄の日
貯蓄に対する関心を深め、貯蓄の増進を図る目的で、貯蓄増強中央委員会が制定した日。今日は戦前には、「神嘗祭(かんなめさい)」という祝祭日。天皇が、その年に実った新穀を伊勢神宮の天照大神に奉納する日であったことから、労働の実りである「貯蓄」を大切にしようとこの日を選んだもの。

……貯蓄……過去から現在に至るまで、縁のない言葉である。いや、やってないわけではない。しかし、爪に火をともすように僅かずつ残高を残して頑張っても、通帳の数字は、元気に育たない…と言うのが実情だし、僅かにたまったら、その時その時の欲望に忠実に大きな買い物をしてしまったりするので、結局、老後の蓄えとかその他諸々の不安材料となりかねない、我輩の経済状態は、はっきりいえば、「貯蓄?それ美味しいの?」という困った状況を現在進行形で維持している。……ああ、人生。これも人生(←思わず韜晦)

2002年10月17日(木)
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