2002年02月07日(木) |
木曜日/『切ない』はいらない。 |
木曜日か金曜日に時間を取ってくれると、masayaは言っていた。 朝、いつもうつらうつらとあたしは2度寝してしまうので その前にいつ連絡が入ってもいいように、携帯のマナーモードを外す。
午前10時半頃にあたしはやっと起き出す。 携帯を見ると、朝のおはようメール以後は何も入ってない。
ああ、ダメかも。今日も忙しいかも。
メールで確認を取ると、まだわからないという返事が来た。 じゃぁ、電話を入れてとメールを返す。
あまり期待しないでおこう。
自分で言い聞かせて、あたしはそれでも出かけてもいいような服装に着替えてみた。 そのまま、ぼぉっとテレビを見て、遅い朝食とも昼食ともわからないような食事を取る。
ふと気付くと携帯が鳴ってる。masayaだ。
さて、出かけてみようかと。
あい。じゃぁ、途中まで行く。
嬉しい嬉しい嬉しい。 まだノーメイクだったあたしは、急いで化粧をして、車のキーを握って家を出た。
待ち合わせ場所に着くと、まだmasayaは来てない。 店内で少し暇を潰していると、携帯が鳴った。着いたらしい。
車に乗り込む。昼間に逢うのはとてもひさしぶり。 このあいだの、風邪の時以来。 他愛のない会話をして、どこに行くとも何も言わないのに、 masayaが借りている駐車場に着いた。
青い部屋だ。 あたしが好きな青い砂壁。 畳。 少し散らかった部屋。 カーテンが閉じていて暗かったので、少しだけ開けてみた。 部屋の中がほんのり明るくなる。
買って来たコーラをmasayaはグラスに注いでくれた。 あたしがクリスマスにプレゼントしたバカラのタンブラー。 少し重くて、でも手に馴染む感じがする。
並んで座って、キスを繰り返す。 そうしていると、ベッドに引っ張りあげられた。 脱いでしまう。全部。あたしもmasayaも。 背中から抱き締められて、耳朶に、うなじにmasayaのたくさんのキス。 舌先が跳ねる度に、あたしは溜息を漏らす。
左の肩の後ろは、彼がみつけたポイント。 ほんの一点だけ、異様に感じてしまう箇所がある。 そこにキスされると、鳥肌がたって、身体が震える。 逃げたくて、でも後ろから強く抱き締められて逃げられなくて あたしは泣きそうな声をあげてしまう。 充分に濡れているあたしの中に、masayaの指が入る。 小刻みに震える指先。溢れる出てくるのがわかる。 小さな水音が、あたしの中から聞こえてくる。
くすぐったいような、焦れったいような感覚の愛撫がどれくらい続いただろう。
あたしも彼に愛撫を返す。 たくさん感じて欲しい。 どうすればmasayaは感じてくれるんだろう。 そう思いながら、唇と舌をあたしは動かす。
唇を離すと、masayaはいきなりあたしの上に被いかぶさった。 あたしはすんなりと受け入れる。 そのまま激しい動きで責められる。 逃げようとすると、両足を抱えて引き寄せられて、 奥へ奥へと彼が入って来る。 壊れるくらいに貫かれて突かれる。 でも、やさしさがあるセックス。 温かいセックス。
あたしが哭くような声をあげると、masayaは動きを止めて聞く。
どうしたの?
…聞かないで…。
嫌か?
嫌じゃない…
色んな体位で何度も訪れる快感。 様々な大きさのエクスタシー。 時には身体の震えが止まらなくて 時には彼の上に倒れこんで それでもあたしは、もっと感じたいと思う。
masayaが終わりをつげて、あたしの中に彼の精液が放たれる。 この瞬間が好きだ。とても感じる。
そのまましばらく抱き合ったままでいて、 それから、ふふっと笑って、そぉっと離れる。 ベッドシーツに染みを作らないように、気をつけながら。
ひさしぶりにゆっくりとした時間なので、 あたしはmasayaに悪戯をする。 相変わらず、彼の筋肉を噛んでみたり、 小さくなった彼の物を口にふくんで、首を左右に振ってみたりして遊ぶ。
ああ、遊ばれてるよ。
そだよ。遊んでるの。いいぢゃん。ひさしぶりなんだし。
そうして、遊んでいると、徐々に彼は硬度を持ってくる。 口の中で、あたしの舌の動きで、変化してゆくのはとっても楽しい。 だいぶ固くなったペニスから唇を離して、あたしはmasayaに言う。
ねぇ。入れてもいい?
どうぞ。
でも入らないかも。
そう言いながらあたしは彼の上に跨がって、腰をしずめる。 1度目の余韻と、あたしの中から流れ出た体液とmasayaが放った精液とで あたしは充分潤っている。 だから、なんなくすんなりと入ってしまう。
心配なんていらないぢゃん。
masayaが笑う。そだね。ほんとだぁ。 彼はベッドで寝転んだまま。あたしは静かに前後に動き出す。 ゆっくりと上昇して行く快感を味わうように ゆっくりゆっくり動く。前後に動かしたり回転運動をしてみたり。 どんどん上昇してゆく。 目を閉じて、masayaと両手の指を絡めて、あたしは感じることに没頭する。 激しいセックスとはまた違うゆったりとしたエクスタシー。 何度かイッテ、えへへ勝手にいっちゃったと笑ってみた。
そのまま動きを止めると、段々小さくなるのがわかる。 masaya2度目以降ははイク事には執着しないのも 最近ではわかってきた。
あ、今どれくらいかなぁ。小さくなるのがわかるね。
そか?
うんうん、わかるよ。楽しい。
ちょっとだけの悪戯を終わらせて、あたしはまた彼の腕枕の中に納まる。 抱き締められると、あったかくて、安心して、すぐにウトウトとしてしまいそうになる。 …幸せだ。
でも。 今日は少しだけ泣いてしまった。 絶対泣かないって、あたしは決めてたのに。 少し話しをして、少し泣いて、抱き締められて、また涙が出て。
あまり言わないでおこうと思ってた言葉を言いたくなった。 でも、顔を見ては言えなくて、背中から抱き締められたまま、 青い壁を見ながら、あたしは言う。
…masayaくん…大好きだよ…。
ありがと。 俺も、ゆうちゃんのこと、大好きだよ。
耳もとで囁かれて、嬉しくて、また少し涙が出た。
えへ、なぁんか恥ずかしい。バカみたい、あたし。 大好きと言うのがこんなに恥ずかしいなんて、ひさしぶりだなと思った。 でも、たまにはmasayaから言ってくれたっていいぢゃん!ともちらっとだけ思った。
ベッドの上で抱き合っていると、時間はすぐに過ぎてゆく。
もうそろそろ、いかなくちゃだね。
うん。そだね。
惜しむように何度もキスをする。 masayaはあたしの耳朶を噛む。 余韻の残る子宮がきゅっと収縮する。
元気になったので、もう一度入れようかと思いますが。
え?
今度は後ろから入れてみようかなぁ。
ダメだよ。そんなのいきなり入らない。
と言い終わらないうちに、あたしは後ろから貫かれた。
「そんなことないぢゃん。入ってるよ。」と彼が笑う。
あたしにはもう笑う余裕なんてない。 後は快感に飲み込まれるだけ。 声を抑える余裕も、もう、ない。
何度かイッて、ベッドに蹲るあたしを残して、 masayaが立ち上がった。 と思うと帰って来て、あたしはまた四つん這いにされる。
あ、、また、入って来る、、、。
目を閉じて、快感を受け止めようと思った瞬間 いつもと違う感覚が身体に走った。 何がなんだかわからなくて、しばらく声を上げていたと思う。
違う、違う、、いつもと違うもの、、、。
そう思いながら、あたしは果てる。 でも…もう、タイムリミットだ。
masayaは動きを止めて、あたしの中から引き抜いて 悪戯っ子みたいに笑う。
『中期完了型にしてみたよ。』
あ…。んもぉ、バカっ。いきなり何かと思ったよぉ。びっくりした。 うーん、なんていうか、勝手にそいうことするのは、反則だと思うんだけどな。 でもきっと知ってたら、まぁた、ただの異物感で終わってただろうなとも思った。
今日はちょっと切なくなったりしたけど、 やっぱり最後は笑って終わるのね。 でも、そうやって笑わせてくれるmasayaはとってもいい男だなと、そう思った。 あたしは、もう『切ない』はいらないもの。
でも、いらなくてもいらなくても 勝手に切ない気持ちはやってくる。 だから、困るよね。
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